田中、細川につづけ!
長かったシーズンも終わり、いよいよオフに入ったプロ野球。とはいえ足を止めている時間などなく、各チームでは早くも来季へ向けた戦いがスタートしている。
特に、いわゆる“戦力外通告”を受けた自由契約選手は大変な思いでこの時期を過ごす。どのチームからも声がかからなければ、来年の職場がないからだ。
12日には甲子園で12球団合同トライアウトが開催され、選手たちが最後のアピールを行った。すでに来季の契約を勝ち取った田中浩康(DeNA)、細川亨(楽天)に続く選手は現れるか...。注目が集まる。
近年増える“テスト入団”
しかし、近年はトライアウトだけで合否を判定しないケースも増えてきた。いわゆる“テスト入団”である。
気になった選手を秋季キャンプに参加させ、そこで最後の見極めを行い、獲得するか否かを判断する...。特にその傾向が色濃いのがロッテだろう。
【ロッテ・近年のテスト入団者】
2012年 G.G.佐藤
2013年 チャド・ハフマン、金森敬之、岸敬祐
2014年 矢地健人、チェン・グァンユウ
2015年 田中靖洋
伊東勤監督が就任した12年のオフに、西武時代の教え子だったG.G.佐藤を獲得。これを皮切りに、毎年入団テストを経て選手を獲得しているのだ。
再生した選手も
そして、ロッテにやって来てチャンスを掴んだ選手も出てきている。
例えばチェン・グァンユウがその一人。今季こそ故障の影響で1勝に終わったが、入団1年目の昨季はプロ初勝利を含む5勝をマーク。日本ハムとのクライマックスシリーズ・ファーストステージでは第2戦の先発を任され、5回を1失点に抑えた。
涌井秀章や石川歩を筆頭に右の先発投手が多い中、若き左腕にかかる期待は大きい。
また、今季加入の田中靖洋も良いはたらきを見せた。昨季は西武で18試合に登板し、防御率1.35という成績を残しながらも戦力外となった右腕だったが、秋季キャンプでのアピールが実りロッテへ。
新天地では二軍で打ち込まれる場面もあったが、リリーフ陣に故障者が続出した夏場に一軍昇格。8月30日のオリックス戦から9月25日のオリックス戦にかけて11試合連続無失点を記録するなど、主にビハインドゲームのリリーフとして存在感を示した。
今年も新たにチャンスを掴む選手が現れるか...。ロッテの動向から目が離せない。