糸井移籍で外野が手薄なオリ
今オフは6人がFA宣言したが、栗山巧が西武残留、岸孝之が楽天、糸井嘉男が阪神に移籍が決まった。一方で、山口俊、森福允彦、陽岱鋼の移籍先は決まっていない状況だ。
その中でも、日本ハムからFA宣言した陽岱鋼が、どこの球団に移籍するか気になるところ。一部報道ではオリックス、楽天の2球団が獲得に動いているという。
陽岱鋼のポジションは外野。そこで、両球団の外野手事情を見ていきたい。オリックスはレフトに今季チーム最多の20本塁打を記録したT-岡田、ルーキーながら2桁本塁打をマークした吉田正尚がいる。センターは同ポジションでチーム最多の56試合に出場した駿太、内野手登録の小島脩平、大城滉二が務めるなど層が薄い。阪神へFA移籍した糸井が118試合で先発出場したライトは、次いで吉田正の9試合、ボグセビックの7試合だ。
その他、U-23ワールドカップで存在感を見せた武田健吾、今季78試合に出場した小田裕也、ルーキー時代の12年にレギュラーを務めていた川端崇義などもいるが、糸井が抜けた今、かなり手薄な印象。そういった意味でも、今季130試合に出場して、打率.293を記録した陽岱鋼は魅力的な選手といえるだろう。
<ポジション別最多スタメン出場選手>
レ フ ト:T-岡田(70試合)
センター:駿太(56試合)
ラ イ ト:糸井嘉男(118試合)
楽天も100試合以上先発出場は岡島のみ
楽天の外野手はというと、こちらも100試合以上先発出場した選手がライトの岡島豪郎しかいない状況。
それでも、日本人でチームトップの9本塁打を記録した島内宏明が、シーズン終盤からセンターのレギュラーに定着。レフトにはチーム最多の27本塁打をマークしハッスルプレーが魅力のウィーラー、ライトにはシーズン途中に加入したペゲーロがいる。今季ライトで107試合に先発出場した岡島は、シーズン終盤に調子を落とし、ベンチを温める機会が多かった。さらに、12年盗塁王の聖沢諒、大ベテランの松井稼頭央、来季プロ2年目を迎えるオコエ瑠偉、代打で存在感を示した枡田慎太郎など候補者が多い。
ただ、レギュラーに近い選手は多いが、絶対的な選手がいないのも事実。近年、故障で離脱する期間も多いが、安定して活躍を見せる陽岱鋼が加入となれば、外野の1枠を埋めることができる。他の選手たちも尻に火がつき、相乗効果で成績があがる可能性もありそうだ。
<ポジション別最多スタメン出場選手>
レ フ ト:ウィーラー(45試合)
センター:島内宏明(56試合)
ラ イ ト:岡島豪郎(107試合)
また、獲得を目指すオリックスと楽天は、オリックスの福良淳一監督、楽天の梨田昌孝監督ともに、若手時代の陽岱鋼を指導した間柄だ。外野が手薄な両球団としても、かつての教え子が欲しいところだろう。陽岱鋼はどちらの球団を選択するのだろうか…。