岸獲得の代償
ストーブリーグの幕が開けたプロ野球界。選手の移動に注目が集まる季節になったが、さっそく今オフのFA移籍第1号が決まった。
楽天は18日、海外FA権の行使を宣言していた岸孝之の獲得を発表。入団会見も行い、移籍記念Tシャツやユニフォームの受注がスタートするなど、早くも歓迎ムード全開となっている。
逆襲へ向けて大きなピースを手に入れた楽天であるが、もちろん相手のエースを無償で獲得できるわけではない。FAでの選手獲得には、“対価”が必要となる。
FA補償をおさらい
FAでの選手獲得による“補償”は、獲得した選手の格によってその程度が決定する。詳細は以下をご覧いただこう。
【FA補償まとめ】
▼ Aランク(チーム内の年俸上位1位~3位)
・人的補償 + 年俸の50%相当の金銭
or
・年俸の80%相当の金銭
▼ Bランク(チーム内の年俸上位4位~10位)
・人的補償 + 年俸の40%相当の金銭
or
・年俸の60%相当の金銭
▼ Cランク(チーム内の年俸上位11位以下)
補償の必要なし
岸の推定年俸は2億2500万円で、西武ではAランク相当の選手であると見られている。ということは、楽天は1億8000万円の金銭か、もしくは1億1250万円の金銭プラス人的補償として選手1名を西武に支払わなければならないのだ。
(※金額はすべて推定)
人的補償をおさらい
金銭なのか、選手を取るのか。西武の選択に注目が集まるが、やはり気になってくるのが人的補償が誰になるかという部分であろう。
ここで今度は、人的補償のルールについても押さえておく必要がある。
人的補償の対象となるのは、外国人選手と今年のドラフトで獲得した新人選手を除いた支配下選手の中で、球団が選ぶ「プロテクト」から漏れた選手たち。「プロテクト」できるのは28名。意外と多いようで、これがかなり頭を悩ませる部分になるのだ。
【人的補償まとめ】
<獲得できない>
・プロテクトされた選手
・外国人選手(※日本人扱いになった選手も含む)
・ドラフトで獲得した新人選手
<獲得できる>
・支配下登録されたFAでの獲得選手
・支配下登録されたトレード、自由契約選手
・複数年契約選手
なお、このリストは交渉前はもちろんのこと、補償選手が決まった後も公開されることがない。相手球団の選手事情を見ての戦略的な事情も含まれてくるため、予想は困難を極める。
というわけで、今回は今シーズンの出場試合数などを基に、楽天のメンバーの中でもプロテクト濃厚と見られる選手を独断で“18名”だけピックアップしてみた。
残るプロテクト枠は10個――。残ったメンバーを見て、「この選手はプロテクトされているだろう」、「この選手は怪しいかも」といった具合に皆さんに想像していただきたい。
▼ プロテクト濃厚?
<投手>
松井裕樹
塩見貴洋
則本昂大
安楽智大
金刃憲人
美馬 学
青山浩二
福山博之
<捕手>
嶋 基宏
細川 亨
<内野手>
茂木栄五郎
藤田一也
今江年晶
銀次
<外野手>
オコエ瑠偉
聖沢 諒
岡島豪郎
島内宏明
▼ 残る支配下選手
<投手>
浜矢広大
小野 郁
森 雄大
釜田佳直
戸村健次
石橋良太
武藤好貴
西宮悠介
大塚尚仁
入野貴大
辛島 航
菊池保則
古川侑利
宮川 将
<捕手>
小関翔太
下妻貴寛
足立祐一
伊志嶺忠
堀内謙伍
<内野手>
阿部俊人
吉持亮汰
内田靖人
西田哲朗
中川大志
三好 匠
村林一輝
柿沢貴裕
<外野手>
松井稼頭央
福田将儀
枡田慎太郎
フェルナンド
※残り10/31