岸孝之・入団会見
―― 楽天入りが決まった率直な心境は
ずっと長い間悩んできて、すごく悩んで悩んで決断して、
野球を始めたのがこの仙台で、プロに入るまで沢山の人にお世話になって、
支えられてここまで来れたので、そういう人たちに成長した姿を見せたい。
そして地元に恩返しがしたいと思いました。
―― 星野副会長からはどんな言葉を
「迷ったら前に進め」
という言葉を聞いた時に、そうだなとすごく思いました。
その言葉で前に進めたかなと思います。
―― 原点である地元に戻ることになりましたが
試合で投げて、たくさんの方に楽しんでもらって、
そして喜んでもらえたらいいなと。
帰ってきた甲斐があるかなと思います。
―― ご家族、特に両親の反応というのは
いや、そこまで...
自分で決めろと(笑)
―― 対戦相手として戦ってきた、楽天の印象というのは
たくさん良い選手がいると思いますけど、
僕の中では(松井)稼頭央さんとプレーできるのがすごく楽しみで、
プレーできることを楽しみにしています。
―― 親しい選手とかは
嶋とか則本とかは食事に行ったり。
数多くはいないですけど、その2人とはよく連絡を取り合ってます。
―― 先発の柱として期待がかかると思いますが、意気込みは
もちろん、チームに貢献して優勝しないと来た意味がないと思っているので。
星野さんと立花さんの思いをちゃんと自分の中でも受け止めて、
しっかりと成長していきたい。
―― 目標としている数字などは
常に「キャリアハイ」というのを目指していて、
15勝はしたいと毎年思っているので、
そこは変わらずにやっていきたいです。
―― 星野副会長、今の言葉を聞いて
いやまぁ私は監督じゃないし...監督なら30勝くらいしてほしいんでしょうけどね。
15勝というのはバックとの関係もありますけど、彼の実力があればね。
簡単にとは言わないけど、ノルマはその辺の数字なのかなと。
あとはいかに負けを減らすか、貯金ができるかじゃないでしょうかね。
―― 日本一奪還を目指すチームですが、岸さんの思いは
もちろんそれをしないと、地元に帰ってきた意味がないと思うので。
皆さんの期待に応えられるように、精一杯やりたいと思います。
―― ファンの皆様へ
僕が投げて勝つことによって、みなさんに笑顔になって欲しい。
見に来てよかった、たのしかったと思ってもらえるように。
勝利に貢献したいと思っています。
【質疑】
―― 故郷を震災が襲ってから、この5年の思いというのは
僕もなにかしたいとは思っていたが、何もできなかった。
仙台で投げる時は、僕が投げて喜んでいる人もいるかなと思って投げていました。
これからは僕にできることがあれば、なんでもやりたいと思います。
―― 地元に帰ろうと思ったのは
いつ野球人生が終わるか分からないと考えた時に、今かなと思って
―― 入団が決まって選手とやり取りしたことは
(則本と)電話もしましたし、さっきロッカールームで握手しました。
―― どういった話を
「よろしく」って
―― 則本投手は柱を担ってきた投手だと思いますが
僕も成長するために、彼の存在はすごく大きいと思います。
負けないように頑張りたい。
星野仙一副会長
ご存知なように寡黙な男で、
静かな中に闘志を燃やせるあの投球を見ても分かるように、
なかなか感じ取れない部分もありましたけれども、
二度、三度会う中でほぐれてくれた。
自分も例えば楽天に来る時、どうしようかなと思ったけど、前に出た。
西武のことも、西武のファンのこともあって悩むんじゃないかなとは思ったから、
「前へ出ろ」と言うしかなかった。熱さでは負けない。
立花陽三社長
彼は名取北高から東北学院大というこの地元の、この仙台から生まれたスーパースター。
彼がこの地で、うちのユニフォームで試合に出てくれることを望んでいました。
地元の方からも「なんとしても獲得して欲しい」という声を数多く頂いていたので、
ファンの方も喜んでくれているかなと思います。
チーム一丸となって、もう一度日本一へという気持ちは強いんですけれども、
2013年の盛り上がり以降は悲しいシーズンが続いてしまっています。
彼が帰ってきてくれた理由はそこ(日本一奪還)にあると思うので、
一緒に東北を盛り上げたいと思っております。