4年総額123億4000万円...
今年のメジャーのストーブリーグにおける目玉の一人だったキューバ人スラッガーが、早くも去就を決めた。
現地時間29日(日本時間30日)、ヨエニス・セスペデスがメッツとの再契約に合意。MLB公式サイト「MLB.com」などの複数サイトの情報によると、契約内容は4年総額1億1000万ドル(約123億4000万円)になるという。
セスペデスはキューバ出身の外野手。メジャーデビューから5年連続で20発以上を放つ長打力が最大の魅力で、ここ2年は30本塁打以上を記録している。
昨年のオフにメッツと新たに3年契約を結ぶも、残り2年の契約を破棄してFAに。その動向に注目が集まっていたが、メッツが驚愕の好条件を再提示したことで思わぬ早期決着となった。
「MLB.com」によれば、年平均2750万ドル(約30億8000万円)という金額は球団史上最高額になるという。
もはや大きすぎてピンとこない数字であるが、今シーズン日本一になった日本ハムの総年俸(開幕前時点)が約27億円だったと補足すると、どれだけとてつもない数字なのかお分かりいただけるだろう。(※金額は推定)
セスペデスが持ちかけた“駆け引き”
複数年契約を一旦破棄しての複数年“再”契約...。日本では考えられない行動のように思えるが、これも“駆け引き”のひとつだ。
それを可能にしたのが『オプトアウト』という条項。たとえ複数年契約中であっても、選手の意思でFAになることができるというもので、セスペデスの契約の中にもその条項が盛り込まれていた。
セスペデスは残り2年で約50億円と言われる契約を残していたと言われているが、今シーズンも良い成績を残したことで更なる好条件を望み、『オプトアウト』を決断。しかし、メッツもどうしてもこの主砲を手放したくないというところで、球団史上最高の条件で引き留めたというわけである。
結果、セスペデスは年平均にして約5億円という上積みをゲット。日本では批判の的にもなりかねない行動ではあるが、これも選手の権利であり、これこそがビジネスだとも言えるだろう。
もちろん、これだけの契約となるとかかるプレッシャーもとてつもなく大きい。その中でシーズンを健康に過ごし、ファンを納得させるような活躍が見せられるのか。来年のセスペデスには要注目だ。