いよいよ開幕!ストーブリーグ
カブスの108年ぶり優勝で幕を閉じた2016年のメジャーリーグ。長かったシーズンが終わると、これまた長いストーブリーグの幕が開ける。
日本と比べて選手の移動が激しいことで知られるアメリカ。中心選手でもタイトルホルダーでも構わず移籍することが多々あるため、オフも選手たちの動きから目が離せない。
FA市場の注目選手トップ50
ベン・ライター記者による記事では、今FA市場での注目選手を50位までランキング。「どこが狙っている」、「どこがオススメ」といった切り口で選手が紹介されていくもので、オフの風物詩的な企画となっている。
ちなみに、50位までと聞いて「多いな」と思う日本のファンも多いかと思うが、そこには日本とアメリカのフリーエージェント(FA)制度のちがいがある。
ざっくりと説明すると、日本では「権利を行使」しなければFAにならないが、アメリカでは事前に契約延長が決まらなかった場合、FAの有資格者全員が自動でFAとなる。これにより心情や周りの目などを気にすることなく、フラットに他球団からの評価を聞くことができるため、選手の移動も多くなるのだ。
今回は記事の中でも上位に挙げられた注目選手と、日本人でランクインした上原浩治に関しての評価を見ていきたい。
キューバのスターが1位・2位
栄えある今年のNo.1注目選手は、ニューヨーク・メッツのヨエニス・セスペデスが選出された。
昨オフも市場を賑わせたキューバ人スラッガーは、野手最大の目玉と言われながらもメッツに残留。3年総額約90億円(※当時のレート)という大型契約を結んだが、残り2年・約50億円とも言われる契約を残してオプトアウト。FAとなることを決めた。
ライター氏は2年連続で30発以上を放っている男のパワーに関心を寄せるチームは多くいるとし、中でもジャイアンツが強い興味を持っていると紹介。さらにダークホース候補としてメッツと同地区のフィリーズの名前も挙げた。
また、2位に続いたのもキューバのスター。カブスのメジャー最速守護神こと、アロルディス・チャップマンである。
今シーズンはまずいきなり恋人のDV疑惑からはじまり、ほぼ決まりかけていたとされるドジャースへのトレードが破談に。その後、トレードでのヤンキース行きが決まった。
DV問題により開幕から30試合の出場停止を受けるも、処分が終わると5月からはストッパーとして活躍。31試合の登板で20セーブを挙げる。しかし、なかなか上がらないチーム状態もあってシーズン途中にまたもトレード。7月の終わりにはカブス行きが決まる。
カブスでは自己最速となる105.1マイル(約169.1キロ)を計測するなど、新天地でも守護神として躍動。108年ぶりのワールドチャンピオンに大きく貢献した。
9回の安定を図るチームとして、ライター氏はナショナルズの名前を挙げている。優秀なタレントが揃い、ここ数年は優勝候補にも挙げられるようになったチームが本気で頂点を狙いに行くか。最速守護神を巡る争いにも注目が集まる。
きになる上原の去就
日本人でランキングに名前が載ったのが、レッドソックスの上原浩治だ。
31位の上原は来年で42歳を迎えるものの、“伝家の宝刀”スプリットと制球力は健在。まだまだ活躍ができるとみられるが、おそらく「残留」ではないかというのがライター氏の見立て。
ボストンのブルペン陣では田沢純一やブラッド・ジーグラーといったところの去就が不透明となっており、信頼のおけるベテラン右腕は残すのでは、としている。
果たして、今年はどんな驚きの移籍が実現するのか――。メジャーのストーブリーグから目が離せない。
▼ 「ライター氏による注目トップ10」
1位 ヨエニス・セスペデス(外野手/メッツ)
2位 アロルディス・チャップマン(投手/カブス)
3位 エドウィン・エンカーナシオン(外野手/ブルージェイズ)
4位 ケンリー・ジャンセン(投手/ドジャース)
5位 ジャスティン・ターナー(内野手/ドジャース)
6位 マーク・トランボ(外野手/オリオールズ)
7位 イアン・デスモンド(外野手/レンジャーズ)
8位 ウィルソン・ラモス(捕手/ナショナルズ)
9位 デクスター・ファウラー(外野手/カブス)
10位 ジョシュ・レディック(外野手/ドジャース)
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31位 上原浩治(投手/レッドソックス)