落合GMの“大ナタ”更改が話題に
まさかの4年連続Bクラス。それも今年は19年ぶりの最下位という屈辱も味わった中日。11月8日からスタートした契約更改は、25日までに63人の選手との交渉が終わった。
中日の契約更改といえば、近年は“大ナタ”更改が印象的。その象徴とも言える人物といえば、13年オフにGMに就任した落合博満氏だろう。
野球協約には年俸の「減額制限」というものが設けられており、元の年俸が1億円以下の場合は25%、1億円を超えていた場合は40%がその制限となる。
制限を超える場合は“選手側の合意”が必須となり、選手がこれを拒否した場合は自由契約となるのだが、落合氏の就任以降はこの減額制限を超えるダウン提示も連発した。
新人も主力も関係なし
振り返ってみると、13年のオフにはなんと25人が減額制限いっぱい、もしくは減額制限を超える提示を受けた。このような事態は異例中の異例である。
その後も14年オフは8人、15年オフも10人の選手が13年同様の大幅減。長年チームを支えてきた山本昌や吉見一起、荒木雅博といったところにも容赦なく減額制限いっぱいの金額を提示してきた。
なお、ほとんどの選手はその条件を飲んだが、当時ショートで不動のレギュラーを張っていた井端弘和は減額制限を超える提示に合意せず。自由契約となり、巨人へと移ったことが大きな話題となった。
ただし、プロ野球は結果がすべての世界。その間に台頭した若松駿太や亀沢恭平らが目を疑うような大幅アップを掴み取っているように、立場や格に関係なく、成績を残せば上がり、だめなら下がるという点では分かりやすい。
“やりすぎでは?”との声も挙がったが、姿勢は一貫しているのだ。
この冬は...?
さて、19年ぶりの最下位に終わった今年の契約更改はどうなっているのか。
ここまでの63人を振り返ってみると、ダウンが24人なのに対してアップは25人(14人は現状維持)。実は上がった選手のほうが多い。
たとえば開幕から31試合連続無失点のプロ野球記録を更新し、シーズン途中からは抑えも務めた田島慎二は95%の増額。さらに自己最多の44試合に登板した小川龍也は171%という大幅アップを掴み取った。
その一方で、ダウン組では今季68試合の出場に留まったベテランの森野将彦が減額制限いっぱいの40%減で更改。ほかにもプロ入り後初めて一軍登板なしに終わった浅尾拓也や、昨季は67%アップを掴んだ八木智哉らも、減額制限いっぱいの25%ダウンとなっている。
来季こそは苦境から脱出し、一人でも多くの選手が笑顔で冬を迎えられるようにしたいところ。森繁和新監督のもと、新たな戦いがはじまる。
※金額は推定