高橋周平は春先に大活躍も…
今季、2試合連続サヨナラ本塁打を放つなど“神ってる”活躍で25年ぶりのリーグ優勝に貢献した鈴木誠也(広島)、育成から這い上がった原口文仁(阪神)といった野手がブレイクした。
一方でブレイクが期待されながら、活躍できなかった野手もいる。高橋周平(中日)がその一人だろう。プロ5年目の今季、3月25日の阪神との開幕戦で猛打賞を記録すると、開幕戦から6試合連続安打をマーク。3月31日の広島戦では満塁本塁打を放ってみせた。打順も開幕直後は7番を打っていたが、4月5日のDeNA戦から3番に座り、三塁のレギュラーに定着に向けて最高のスタートを切った。
開幕直後の活躍ぶりを見ると今季は、やってくれるだろうと期待したファンも多かったのではないだろうか。だが、アクシデントが襲う。4月30日の広島戦で右手を痛め途中交代すると、右手有鉤(ゆうこう)骨骨折で離脱。約3カ月チームを離れた。
復帰初戦となった7月28日のDeNA戦で、いきなり4打点を挙げたが、その後は開幕直後に見せたような打棒が発揮できず、8月は月間打率.189と苦しんだ。それでも、9月は8日の広島戦で4安打をマークするなど、月間打率.288、1本塁打、6打点の成績を残した。5年目の今季は、自己最高の29打点をマークしたが、プロ入り直後の期待度からすると、まだまだこんなものではない。来季こそ、三塁のレギュラーに定着したいところだ。
上林は飛躍が期待されたが…
昨季二軍で首位打者、盗塁王に輝いた上林誠知(ソフトバンク)も今季、ブレイクが期待された一人だった。上林は昨季、二軍では圧倒的な成績を残し、一軍ではプロ初安打を満塁本塁打で決めるなど、15試合の出場ながら打率.318を記録した。今季は、昨季までレフトのレギュラーだった内川聖一がファーストにコンバート。外野のレギュラーポジションが1つ空きチャンスが増えた。
上林は開幕一軍の切符を掴むことができず、今季初昇格は6月2日と出遅れた。その遅れを取り戻そうと、今季初打席となった6月4日の広島戦で初打席初安打を記録。その後も代打で安打を放つなど、必死にアピールしたが、6月29日のロッテ戦から10打席連続無安打に終わると、7月19日に二軍落ち。その後、一度も一軍に戻ってくることなくシーズンを終えた。
その他、オープン戦で高打率をマークした横田慎太郎(阪神)、村田修一とサードのレギュラーポジションを争った岡本和真(巨人)、オープン戦首位打者に輝いた坂田遼(西武)なども今季ブレイクとはいかなかった。
ブレイクが期待された主な選手たちの今季成績
高橋周平(中日)
75試 率.251 本4 点29
上林誠知(ソフトバンク)
14試 率.211 本0 点1
横田慎太郎(阪神)
38試 率.190 本0 点4
岡本和真(巨人)
3試 率.100 本0 点0
坂田遼(西武)
45試 率.245 本3 点26