昨オフに初の1億円突破は14名
現在、各球団の各選手が契約更改を行っており、大幅アップを勝ち取った選手がいれば、大幅減となった選手もいる。そんな中、今オフは菊池雄星(西武)、西川遥輝(日本ハム)、中島卓也(日本ハム)といった選手が“1億円プレーヤー”の仲間入りを果たした。
年俸1億円の突破は“大台”とも呼ばれ、プロ野球界で一定の成功を収めた証とも言える。さて、昨オフの契約更改で初めて1億円の大台に乗った14名の選手たちは今季、どのような成績を残したのだろうか――。
多くの投手陣が成績を落とす
クローザーは、沢村拓一(巨人)が前年以上の試合に登板して昨年と同等のセーブを挙げたが、昨年ほどの安定感はなかった。そして西野勇士(ロッテ)は故障で二軍落ちを経験し、抑えから外されるなど苦しいシーズンだった。もちろん、ここに挙げた数字がすべてではないが、いずれの投手も難しいシーズンを過ごしたことは間違いない。
藤浪晋太郎(阪神/1億7000万円)
15年:28試 14勝7敗 防2.40
16年:26試 7勝11敗 防3.25
西勇輝(オリックス/1億2000万円)
15年:24試 10勝6敗 防2.38
16年:26試 10勝12敗 防4.14
大野雄大(中日/1億800万円)
15年:28試 11勝10敗 防2.52
16年:19試 7勝10敗 防3.54
小川泰弘(ヤクルト/1億円)
15年:27試 11勝8敗 防3.11
16年:25試 8勝9敗 防4.50
沢村拓一(巨人/1億円)
15年:60試 7勝3敗36S 防1.32
16年:63試 6勝4敗37S 防2.66
西野勇士(ロッテ/1億円)
15年:54試 1勝2敗34S 防1.83
16年:42試 3勝6敗21S 防3.35
野手陣は筒香が大活躍
野手陣に目を向けると、筒香嘉智(DeNA)が二冠王になるなど、大幅に成績を上げてチームのCS進出にも大きく貢献した。二塁手としてベストナインに選出された浅村栄斗(西武)は、打撃3部門の成績をあげることに成功。山田哲人(ヤクルト)は打率を落としたものの2年連続トリプルスリーという快挙を成し遂げた。
一方、柳田悠岐(ソフトバンク)は開幕から厳しい内角攻めに合い、本来の調子を取り戻すまでに時間を要した。シーズン終盤にケガで離脱したことも響き、打率、本塁打、打点の3部門でいずれも数字を落としてしまった。
秋山翔吾(西武)、中村晃(ソフトバンク)はシーズンを通して試合に出場し、一定の結果を残したものの、前年以上の活躍をしたとは言い難い。畠山和洋(ヤクルト)に至ってはキャンプから出遅れ、復帰後もケガで再離脱となるなど、1年を通して満足に働くことができなかった。
柳田悠岐(ソフトバンク/2億7000万円)
15年:138試 率.363 本34 点99
16年:120試 率.306 本18 点73
山田哲人(ヤクルト/2億2000万円)
15年:143試 率.329 本38 点100
16年:133試 率.304 本38 点102
秋山翔吾(西武/1億5000万円)
15年:143試 率.359 本14 点55
16年:143試 率.296 本11 点62
畠山和洋(ヤクルト/1億3000万円)
15年:137試 率.268 本26 点105
16年:45試 率.245 本1 点18
中村晃(ソフトバンク/1億2000万円)
15年:135試 率.300 本1 点39
16年:143試 率.287 本7 点50
筒香嘉智(DeNA/1億円)
15年:138試 率.317 本24 点93
16年:133試 率.322 本44 点110
炭谷銀仁朗(西武/1億円)
15年:133試 率.211 本4 点35
16年:117試 率.218 本1 点22
浅村栄斗(西武/1億円)
15年:141試 率.270 本13 点81
16年:143試 率.309 本24 点82
野手陣は筒香が大幅アップを勝ち取ったが、投手陣ですでに契約更改を終えている大野は1年で大台割れ。昨オフに1億円プレーヤーの仲間入りを果たした投手陣にとって今冬は、やや厳しい契約更改になるかもしれない。
(金額は推定)