森本稀哲さんに憧れた小学生時代
DeNAの山崎康晃が5日、東京都江東区の小学校を訪れ、JFAこころのプロジェクト「夢の教室」に参加した。「夢先生」として教壇に立った山崎康は、5年4組の生徒たちに“夢”の大切さを説いた。
山崎康が小学生の時の夢はもちろん“プロ野球選手”。「僕が小学校のときは、同じ街にプロ野球選手の森本稀哲さんがいました。森本選手がプレーしている姿をみて、僕はプロ野球選手になって活躍したいという夢がありました」。当時プロ野球選手として活躍していた地元のヒーロー・森本稀哲に憧れ、プロ野球選手になるため白球を追いかけた。
夢を叶えるため選択の連続
夢を叶えるためには、様々な“選択”を下さなければならない。中学に上がるときには地元の中学校に野球部がなかったため、自宅から約5キロ離れた野球部の学校に通うことを選択し、高校のときも10校からのスカウトを受けたが、憧れの森本稀哲さんが高校時代に通っていた帝京高校に進学した。
帝京高校ではエースナンバー“1”を目指し、練習を積んでいたが当初は3番手で背番号も“15”。しかし、このときの“悔しい気持ち”を原動力として山崎康は這い上がる。
「頑張っても失敗するんだよね。康晃先生も今プロで頑張っているけど、たくさん失敗はあったし、家に帰って泣いたこともあった。でもここで諦めずに一生懸命夢を叶えるために頑張ることを忘れなかった。プロ野球選手になるためにはこういう思いが今となっては、いい経験になった。経験を積むことで強くなった」。
高校時代に多くの壁にぶつかりながらも、その失敗を糧に成長した山崎康は、3年のときに背番号「1」を勝ち取った。
帝京高でエースナンバーを掴んだ山崎康は、卒業後のプロ入りを目指すが、ここでは夢が叶わず亜細亜大学への進学を選択。厳しい練習で知られる亜細亜大学では早朝から“野球が嫌い”になるほど厳しい練習で自分を高めた。
それでも山崎康は、「プロに行きたかったし、プロになるためには練習するしかないと考えて頑張った」と、大学日本代表に選出されるまでに成長し、14年のドラフトでDeNAから1位指名を受け、小学生の頃から思い描いてきた“夢”を叶える。
現在の夢とは…
プロ入り後は1年目から守護神に抜擢され、シーズン新人新記録となる37セーブをマーク。同年11月におこなわれた「WBSC世界野球プレミア12」に選出され、2年目の今季も33セーブを挙げる活躍を見せた。シーズン終了後に行われた日本代表の強化試合にも選出されるなど、現在では球界を代表する投手の一人だ。
そんな山崎康の現在の夢は、“日本一のクローザーになって世界一になる”こと。
「WBCもありますし、色んな意味で日本一という言葉を書きました。日本一のクローザーになってWBCも優勝したい。日本の野球が一番になるというのが夢です。叶えられるように頑張っていきたいです」。
康晃先生が大切にしたこと
夢授業の前に行われた体育の授業で“仲間と協力”することの大切さを教え、夢先生の授業では“人生の選択”、“夢の大切さ”を説いた。授業の最後には康晃先生に、子供たちが将来の夢を話す場面もあった。
授業を終えて山崎康は「普段とは違う緊張感だった。子供たちは元気がよかったし、僕自身も元気をもらえた。子供たちに喜んでもらえたことが嬉しかった」と充実した表情を見せた。
まずは来春、康晃先生が“世界一になる”姿を見せ、子どもたちに“夢は叶う”ということを再び証明してもらいたい。
▼ 山崎康晃
生年月日:92年10月2日
身長/体重:177センチ/83キロ
投/打:右/右
経歴:帝京高-亜細亜大-DeNA
今季成績:59試 2勝5敗33S 防3.59
通算成績:117試 4勝9敗70S 防2.76