昨季、史上10人目の「トリプルスリー」を達成し、パ・リーグMVPを獲得するなど、一躍プロ野球界のスターとなったソフトバンク・柳田悠岐。グラウンドに立つ姿は、雄々しく勇ましい。
そんな柳田も、ユニフォームを脱げば28歳の“カッコいいおニイチャン”。インタビュー中も、「めっちゃかっこいい」、「すごいっす」と興奮した様子で無邪気に笑う。
ただ、「悔しい思いをした…」と話すその目の奥には、様々な想いが詰まっていた。
インタビュー・文=加藤晃子
写真=瀬藤尚美
男性向けライフスタイル誌「Safari」などを発行する日之出出版が主催し、プロアスリートのベストドレッサーを発表・表彰する『第5回 Athlete Dresser Award(アスリート ドレッサー アワード)』が10日、都内で行われ、野球界からはソフトバンク・柳田悠岐が選出された。
競技だけでなくファッションやライフスタイルにこだわりを持つ選手を表彰する同賞。競技だけでなく、ファッションでもスポーツ界をリードする柳田に『ベースボールキング』が単独インタビューを実施。今季を振り返ってもらった。
――優勝争い真っただ中のシーズン佳境にケガ(右手薬指の骨折)で離脱し、チームもV3ならずと悔しい結果に終わりました。シーズンを振り返ってみて、いま感じている率直な思いをお聞かせください。
柳田 チームが負けて悔しい思いをみんなしましたし、個人的にも納得いく数字は出てなかったので。優勝逃した責任をすごく感じています。
――今シーズンは昨季と比べても攻められ方が厳しくなっているなと感じましたが?
柳田 そこまでですね。変わらずといいますか。そういう攻められ方を昔からされていると思うので。やっぱり自分の力不足というか、実力がまだまだなかったんだなと思っています。
――徐々に数字もついてくるようになりましたが、何か変化があったのですか?それともある程度あがってくる確信があったのですか?
柳田 どっちかいうと諦めるといいますか…。打率も全然上がってこなかったので、打率を気にせずにホームランだけ狙おうかとか。良い意味で適当になれたというか。(そう思うようになったのは)5月くらいからですかね。開幕して1カ月くらいで2割3分とか2割2分とか、そんくらいの数字やったんで。覚えてないんですけど、たぶん2割前半くらいだった※。もう今年は3割無理やなと思って、そこからできるだけホームラン打てるようにとか、数字にこだわらず適当にやろうと。そんな感じで意識を変えていったら、ちょっとずつ上がっていった。
(※4月終了時点で打率.236)
――V逸の中で、何か足りなかったと感じるところはありますか?
柳田 やっぱりホームランですかね。チームとしてホームランが減ったのでそこが一番の要因かなと思います。あとは、大谷(翔平)がヤバすぎたっていうのがあると思います。
――日本ハムの勢いはすごかったですか?
柳田 すごく感じましたね。特に、だんだんだんだん近づいてきた中で、大谷が1番ピッチャーで、いきなり初球ホームラン打たれて。その時らへんにはうすうす気づいてました(笑)。これが勢いなんだなと。こういう勢いがあるチームが優勝するんだなと、シーズン終わって感じました。
――やはりすごいですか、大谷選手。
柳田 すごいっす。ほんとにすごすぎます。
――お話される機会は?
柳田 そうですね。オールスターの時とか。
――どういうお話をされるのですか?
柳田 バットの検査を。コルク入っとんじゃないかと(笑)。「バット貸して」っていって、どんなバット使ってるのかとか。勉強しようと思っていろいろ聞いてますけど、全然わからないです。やっぱりスピードもパワーもあるので。力の伝え方とか、そういうところはずば抜けてすごいなと思います。
――チームとしてでも個人としてでもいいですが、色々な意味で今季のターニングポイントになったと感じる試合や場面があれば教えてください。
柳田 僕はそれですね。大谷の先頭打者ホームラン。そこで、ほんとにうすうす気付いた(笑)。それ以外ないですね。今でも思い出しますね。笑いましたもん。試合中なのに。
――ベンチに戻ってきた時のチームメイトの反応は?
柳田 正直に「なんなんあれ」って。「ありえへんやろ」って、ほんとそんな感じです。「こんなんあり得る?」ってゆうて。まず、「1番・投手」って試合前に聞いた瞬間に「は?」と思ったんですけど、それでホームラン打ったので…。もうほんま笑いが出ましたね。
――対戦していて楽しい・凄いと感じる投手は誰ですか?
柳田 大谷!!!大谷です。
――即答ですね(笑)
柳田 もちろん球もすごく速いですけど、特に変化球がすごいなと思いますね。スライダーが今年一番変わって。キレ、コントロール、スピード、全部がすごくなった印象があります。
――対戦していて、投手の大谷選手か、バッターの大谷選手、どちらが怖いですか。
柳田 両方。ほんまに両方なんですよね。どっちかって言われたらわかんないですけど、どっちもすごすぎるので。直接対決してるのは、ピッチャーとしての大谷ですけど。でも自分はバッターなので、バッターとして見ても、やっぱりすごいなと思って。ほんとに二刀流ですね。
⇒ インタビュー・その2「着こなしへのこだわり」
⇒ インタビュー・その3「来季への誓い」
そんな柳田も、ユニフォームを脱げば28歳の“カッコいいおニイチャン”。インタビュー中も、「めっちゃかっこいい」、「すごいっす」と興奮した様子で無邪気に笑う。
ただ、「悔しい思いをした…」と話すその目の奥には、様々な想いが詰まっていた。
インタビュー・文=加藤晃子
良い意味で適当に。だんだん数字が上がってきた
男性向けライフスタイル誌「Safari」などを発行する日之出出版が主催し、プロアスリートのベストドレッサーを発表・表彰する『第5回 Athlete Dresser Award(アスリート ドレッサー アワード)』が10日、都内で行われ、野球界からはソフトバンク・柳田悠岐が選出された。
競技だけでなくファッションやライフスタイルにこだわりを持つ選手を表彰する同賞。競技だけでなく、ファッションでもスポーツ界をリードする柳田に『ベースボールキング』が単独インタビューを実施。今季を振り返ってもらった。
――優勝争い真っただ中のシーズン佳境にケガ(右手薬指の骨折)で離脱し、チームもV3ならずと悔しい結果に終わりました。シーズンを振り返ってみて、いま感じている率直な思いをお聞かせください。
柳田 チームが負けて悔しい思いをみんなしましたし、個人的にも納得いく数字は出てなかったので。優勝逃した責任をすごく感じています。
――今シーズンは昨季と比べても攻められ方が厳しくなっているなと感じましたが?
柳田 そこまでですね。変わらずといいますか。そういう攻められ方を昔からされていると思うので。やっぱり自分の力不足というか、実力がまだまだなかったんだなと思っています。
――徐々に数字もついてくるようになりましたが、何か変化があったのですか?それともある程度あがってくる確信があったのですか?
柳田 どっちかいうと諦めるといいますか…。打率も全然上がってこなかったので、打率を気にせずにホームランだけ狙おうかとか。良い意味で適当になれたというか。(そう思うようになったのは)5月くらいからですかね。開幕して1カ月くらいで2割3分とか2割2分とか、そんくらいの数字やったんで。覚えてないんですけど、たぶん2割前半くらいだった※。もう今年は3割無理やなと思って、そこからできるだけホームラン打てるようにとか、数字にこだわらず適当にやろうと。そんな感じで意識を変えていったら、ちょっとずつ上がっていった。
(※4月終了時点で打率.236)
大谷の「1番・投手」初球本塁打でうすうす…
――V逸の中で、何か足りなかったと感じるところはありますか?
柳田 やっぱりホームランですかね。チームとしてホームランが減ったのでそこが一番の要因かなと思います。あとは、大谷(翔平)がヤバすぎたっていうのがあると思います。
――日本ハムの勢いはすごかったですか?
柳田 すごく感じましたね。特に、だんだんだんだん近づいてきた中で、大谷が1番ピッチャーで、いきなり初球ホームラン打たれて。その時らへんにはうすうす気づいてました(笑)。これが勢いなんだなと。こういう勢いがあるチームが優勝するんだなと、シーズン終わって感じました。
――やはりすごいですか、大谷選手。
柳田 すごいっす。ほんとにすごすぎます。
――お話される機会は?
柳田 そうですね。オールスターの時とか。
――どういうお話をされるのですか?
柳田 バットの検査を。コルク入っとんじゃないかと(笑)。「バット貸して」っていって、どんなバット使ってるのかとか。勉強しようと思っていろいろ聞いてますけど、全然わからないです。やっぱりスピードもパワーもあるので。力の伝え方とか、そういうところはずば抜けてすごいなと思います。
――チームとしてでも個人としてでもいいですが、色々な意味で今季のターニングポイントになったと感じる試合や場面があれば教えてください。
柳田 僕はそれですね。大谷の先頭打者ホームラン。そこで、ほんとにうすうす気付いた(笑)。それ以外ないですね。今でも思い出しますね。笑いましたもん。試合中なのに。
――ベンチに戻ってきた時のチームメイトの反応は?
柳田 正直に「なんなんあれ」って。「ありえへんやろ」って、ほんとそんな感じです。「こんなんあり得る?」ってゆうて。まず、「1番・投手」って試合前に聞いた瞬間に「は?」と思ったんですけど、それでホームラン打ったので…。もうほんま笑いが出ましたね。
――対戦していて楽しい・凄いと感じる投手は誰ですか?
柳田 大谷!!!大谷です。
――即答ですね(笑)
柳田 もちろん球もすごく速いですけど、特に変化球がすごいなと思いますね。スライダーが今年一番変わって。キレ、コントロール、スピード、全部がすごくなった印象があります。
――対戦していて、投手の大谷選手か、バッターの大谷選手、どちらが怖いですか。
柳田 両方。ほんまに両方なんですよね。どっちかって言われたらわかんないですけど、どっちもすごすぎるので。直接対決してるのは、ピッチャーとしての大谷ですけど。でも自分はバッターなので、バッターとして見ても、やっぱりすごいなと思って。ほんとに二刀流ですね。
⇒ インタビュー・その2「着こなしへのこだわり」
⇒ インタビュー・その3「来季への誓い」