かつてのMVP投手も今季登板0...
新入団選手の発表が各球団で続々と行われ、来季からプロ野球選手として「0」からのスタートを切る男たちが力強いコメントを発している。
その輝かしい新人たちとは対照的に、「0」からの“復活”を目指す選手もいる。今年の一軍出場が「0」だった選手たちだ。
中日の鉄腕リリーバー・浅尾拓也は今季、プロ入り以来初めて一軍登板がなかった。
2010年には、現在もNPB記録となっている59ホールドポイント・47ホールドをマーク。2011年には79試合に登板して防御率は驚異の0.41。リーグ優勝に大きく貢献し、リリーフ投手としては異例のリーグMVPにも輝いている。
しかし、その後は右肩の故障などもあって満足な投球ができていない。今季は二軍で28試合に投げ、1勝2敗5セーブ、防御率4.26という成績。復活への道のりは険しい。
中日が上位進出を果たすためにも、浅尾の復活は欠かせない。来季へ向けて、浅尾は現役時代に同じ右肩痛に悩まされていた馬原孝浩氏のもとでトレーニングを行う予定だという。再起へのキッカケを掴むことはできるだろうか。
また、2005年に沢村賞とMVPを獲得した巨人の杉内俊哉も、今季はプロ入り以来初めて一軍出場がなかった。
昨年の10月に受けた股関節の手術から復帰を目指した杉内は、7月にようやく実戦復帰。三軍、二軍で実戦をこなしたものの、一軍復帰は間に合わなかった。
二軍では4試合に登板して1勝2敗も、防御率は5.21とまだまだらしくない成績。来季こそ復活を果たすべく、秋季キャンプでは高橋由伸監督が見守る中で精力的にブルペンに入り投げ込みを行った。来季はローテーション入りを目指し、「0」からの再スタートを切る。
トミージョン手術にじん帯断裂、痛風も...
巨大戦力の中を育成から這い上がったソフトバンクの二保旭。2015年は44試合に登板してブルペンを支えたが、今季はトミージョン手術を受けた影響で一年間を棒に振った。
リハビリの甲斐もあって術後の経過は良好。来季はもう一度中継ぎの一角に食い込んでいきたいところ。
ユーテリティプレーヤーとして重宝されたDeNAの山崎憲晴も、春のキャンプで左ひざ内側側副靭帯断裂という大ケガを負った影響で一軍出場なしに終わった。
こちらも手術後のリハビリは順調に進み、二軍では9試合に出場。来季はもう一度、内野のレギュラー争いに名乗りを挙げる。
最後もDeNAから、かつては将来のエースとして期待されていたDeNA・高崎健太郎が、キャリア初の一軍登板なしに終わった。
原因となったのが、キャンプ中に発症した痛風。左足指の付け根の炎症により、一時は歩くのもつらい状態まで追い込まれたという。
それでも、「痛風」という病気のイメージもあって周囲の目は厳しかった。信頼を取り戻すためには、もう一度一軍で勝利を重ねる姿を見せる必要がある。
山口俊が抜けた穴を埋めるくらいの活躍を...。「0」からの再出発に賭ける男たちに注目だ。