メジャー組では青木が参加第1号!
日本野球機構(NPB)は20日、「2017 ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)」に出場する主力18選手を先行発表した。翌21日には青木宣親(アストロズ)の参加も決定。ここまで19選手の出場が決まっている。
投手陣は大谷翔平、宮西尚生、増井浩俊の日本ハム勢に加え、牧田和久(西武)、則本昂大(楽天)、菅野智之(巨人)、秋吉亮(ヤクルト)の計7名が先行発表。投手は13人以上との規定があり、過去3大会もすべて13人登録。二刀流・大谷の起用法は不透明だが、本人は開幕戦の先発マウンドをイメージしている。
捕手は大野奨太(日本ハム)と嶋基宏(楽天)の2選手が決定。内野は中田翔(日本ハム)、松田宣浩(ソフトバンク)、菊池涼介(広島)、坂本勇人(巨人)、山田哲人(ヤクルト)の5選手。外野は内川聖一(ソフトバンク)、秋山翔吾(西武)、鈴木誠也(広島)、筒香嘉智(DeNA)の国内4選手に、青木が加わった。
登録メンバーは全28名で、投手が13名なら野手は捕手を含め15名となる。よって残り9名となる追加招集枠の振り分けは、投手6名、捕手1名、内野手1名、外野手1名になると見られている。
上原浩治は参加辞退を表明
残りの投手6枠に田中将大(ヤンキース)、前田健太(ドジャース)らメジャー組が加われば頼もしい限りだが、21日には守護神候補だった上原浩治(カブス)が辞退の意向を表明した。百戦錬磨の右腕は同大会出場へ意欲を見せていたが、新天地となるカブス側が参加辞退を要望。これで投手編成の再考を余儀なくされた。
ひとまず国内選手で追加招集候補を探すならば、11月の「強化試合」にも出場した、野村祐輔(広島)、藤浪晋太郎(阪神)、武田翔太、千賀滉大(ともにソフトバンク)、石川歩(ロッテ)、山崎康晃(DeNA)、岡田俊哉(中日)らが筆頭となる。さらに上原不在を考慮すると、松井裕樹(楽天)、増田達至(西武)、田島慎二(中日)、中崎翔太(広島)、谷元圭介(日本ハム)ら、様々な状況、役割を担える救援タイプの人選がより重要になりそうだ。
先発タイプでは、パ・リーグ最多勝&最高勝率の和田毅(ソフトバンク)の代表復帰にも期待したい。ベテラン左腕は第1回大会の優勝メンバーでもあり、五輪出場も含め国際経験が豊富。さらに左腕不足、アメリカ開催となる決勝ラウンド以降を見据えても、経験値の高い和田は現代表に適している。
第1回大会はロッテから大量8名が選出、勢いも大事!
捕手は球界全体でもスター不在が懸念されており、攻守のバランスに優れた人材がなかなか見当たらない。ディフェンスと経験面を重視するなら、石原慶幸(広島)、炭谷銀仁朗(西武)らが復帰する可能性もある。その他では、今季ロッテの正捕手に成長した田村龍弘も候補のひとりだろう。
内野はこれまでもコンスタントに代表に選ばれている中島卓也(日本ハム)、今宮健太(ソフトバンク)が最後の枠を争う形になりそう。外野は国内組だけでも柳田悠岐、中村晃(ともにソフトバンク)、角中勝也(ロッテ)、丸佳浩(広島)、西川遥輝(日本ハム)と、左打ちの好打者が揃う。
サプライズ枠があるならば、吉田正尚(オリックス)を推したい。プロ1年目はケガに泣いたドラ1大砲だが、復帰した8月中旬以降は持ち前の長打力を発揮しパの優勝争いをかき回した。さらに先日まで参戦していたアジアウインターリーグでは、18試合に出場し打率.556、6本塁打、29打点と大爆発。打率、本塁打、安打、打点、塁打の5部門で大会トップの成績を残した。
今秋の強化試合では打者・大谷が試合の流れを変える働きを見せたが、二刀流が投手に専念するならば、一振りで空気を変えられる“代役”としても期待したい。実績という点では前述の外野陣に劣るが、長打力は現代表の弱点でもあり、データの少ない吉田の存在は相手国にとっても不気味だろう。
2006年の第1回大会では、前年に下剋上での日本一を成し遂げたロッテから、清水直行、里崎智也、西岡剛、今江敏晃ら大量8選手が選ばれ、初代王者に貢献した。代表選手は実績重視で選ばれて当然だが、短期決戦は勢いも大事。“サプライズ”となるニューフェイスの代表入りにも期待したい。