西村、マシソン、沢村で5年連続30S超え
王座奪還へ大型補強を敢行した今オフの巨人。各ポジションに実績のある即戦力選手を迎え、来季は春季キャンプから激しいチーム内競争が幕を開ける。
今年は沢村拓一が務めたストッパーも、現時点では白紙の状態。沢村は2015年36セーブ、16年はリーグ最多の37セーブを挙げたが、今年は優勝した広島戦で再三のセーブ失敗を犯すなど安定感を欠いた。
巨人は新たな抑え候補として、今季メジャーで57試合登板を果たしたのアルキメデス・カミネロを獲得。今季はパイレーツとマリナーズの2球団に所属し、2勝3敗1セーブ、防御率3.56をマーク。15年もパイレーツで73試合登板を果たし、防御率3.62を記録したバリバリのメジャーリーガーだ。
在籍6年目を迎えるスコット・マシソンも守護神候補のひとり。今季はチーム最多の70試合登板を果たし、8勝4敗1セーブ、防御率2.36と好投。14年は抑えとして30セーブをマークしており、今季も不調に陥った沢村の代役として、DeNAとのCS第2戦でも1点リードの9回を締め括った。
2000年以降の巨人抑え事情を振り返ってみると、短いスパンで投手が入れ替わっている。08年に横浜から移籍してきたマーク・クルーンが3年間で93セーブを記録したが、それ以外の投手は長くて2年しか定着できていない。槙原寛己は1998年から3年連続でチーム最多セーブを記録したが、98年は18セーブ、99年は23セーブ、そして2000年は9セーブと低空飛行が続いた。
12年からの2シーズンは西村健太朗がをクローザーを務め、12年32セーブ、13年42セーブで球団初となる2年連続30セーブ以上を記録した。2014年はマシソンが30セーブを挙げリーグ3連覇に貢献。15年からは沢村が最終回のマウンドを任され、安定感を欠きながらも西村以来となる2年連続30セーブを達成した。
これで12年の西村から16年の沢村まで、チーム最多セーブ投手は5年連続で30セーブ超え。固定できないながらも安定した数字を残し続けているあたりに、巨人のチーム力の高さが伺える。
ただし大型補強を敢行した来季の守護神には、結果だけではなく内容にもこだわってほしいところ。セットアッパー候補として獲得した森福允彦も含め、勝ちパターンの再構築は必至。高橋監督が最終回のマウンドを誰に任せるのか注目だ。
巨人の年代別最多セーブ投手
00年:槙原寛己 21登板 0勝1敗9S 防4.12
01年:岡島秀樹 58登板 2勝1敗25S 防2.76
02年:河原純一 49登板 5勝3敗28S 防2.70
03年:河原純一 23登板 0勝3敗7S 防9.41
04年:久保裕也 35登板 7勝6敗8S 防4.08
05年:林 昌範 54登板 2勝2敗18S 防1.61
06年:高橋尚成 35登板 2勝6敗15S 防4.94
07年:上原浩治 55登板 4勝3敗32S 防1.74
08年:クルーン 61登板 1勝4敗41S 防2.21
09年:クルーン 46登板 1勝3敗27S 防1.26
10年:クルーン 52登板 4勝3敗25S 防4.26
11年:久保裕也 67登板 4勝2敗20S 防1.17
12年:西村健太朗 69登板 3勝2敗32S 防1.14
13年:西村健太朗 71登板 4勝3敗42S 防1.13
14年:マシソン 64登板 6勝6敗30S 防3.58
15年:沢村拓一 60登板 7勝3敗36S 防1.32
16年:沢村拓一 63登板 6勝4敗37S 防2.66