コラム 2014.10.09. 18:57

過去10年のデータから見る MLBリーグ優勝決定シリーズ

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ワイルドカードからロイヤルズとジャイアンツがリーグ優勝決定シリーズに進出(写真はジャイアンツのバムガーナー投手) [Getty Images]

両リーグにワイルドカードのチームが残るのは2004年以来


 ポストシーズンが始まった時点で今年も10チームに世界一の可能性があったが、10日が経ち、6チームが敗れ去った。残るはボルチモア・オリオールズ、カンザスシティ・ロイヤルズ、セントルイス・カージナルス、サンフランシスコ・ジャイアンツの4チーム。10日後にはさらに2チームに絞られることになる。

 アメリカンリーグとナショナルリーグの優勝チームを決めるいわゆるリーグ優勝決定シリーズ(以下LCS)。過去10年(2004~13年)のデータからLCSの傾向を探った。

 今年のLCSの特徴は両リーグともにワイルドカードチームが進出してきたことだ。これは2004年のレッドソックスとアストロズが進出して以来のこと。2005年以降は少なくともどちらかのLCSにはワイルドカードチームが不在だった。LCSに進出したワイルドカードチームの成績はというと、過去10年で計9チームが戦い、うち5チームがワールドシリーズに進み、4チームがLCSで敗退している。ここまで来ると、地区優勝をしていたかどうかはあまり関係がなく、ワイルドカードチームでも互角に戦うことができるといえよう。

 それではレギュラーシーズンでの成績はLCSではどう反映されるのか。レギュラーシーズンでの勝率が上回ったチームがやはりLCSで優位だったのかを見てみると、ア・リーグでは勝率で上回ったチームが6勝3敗(2007年は同率)、ナ・リーグでは4勝6敗と違いが出た。ただ両リーグ合わせると10勝9敗とほぼ互角だ。やはり短期決戦ではレギュラーシーズンの勝率はあまり関係ないのだろう。


シーズン中の対戦成績はアテにならず!?


 次に、レギュラーシーズンでの直接対決の結果はどう反映されるのか。これはリーグ間で大きな違いが出た。ア・リーグは4勝4敗(2009年と10年はレギュラーシーズンでの対戦成績が五分)と互角だった。一方のナ・リーグはその年の直接対決で勝ち越していたチームがLCSを制したのは僅かに1チームのみだった。残り9年のうち5年は直接対決に負け越していたチームがLSCを制している(他の4年は対戦成績が五分)。4勝4敗だったア・リーグでもここ3年間は負け越していたチームが勝ち進んでいるので、直接対決で負け越していたチームの方がポストシーズンでは優位といえるかもしれない。ちなみに今年はロイヤルズがオリオールズに、ジャイアンツがカージナルスにそれぞれ4勝3敗で勝ち越している。

 今年は現地時間10日(金)にALCSが、11日(土)にNLCSが開幕する。短期決戦では“初戦が最も大事”という声や“エースは第2戦に温存すべきだ”など色々なセオリーがあるが、過去10年のLCSを見ると、初戦を取ったチームが突破する確率は55%(初戦を勝利した20チーム中11チームがワールドシリーズ進出)とほんの少しだが優位に立つことが分かる。しかし2連勝したチームに絞ると、過去10年の9チーム中8チームがLCSを突破。2連敗から逆転したのは2004年のレッドソックス(対ヤンキース)のみだった。そう、3連敗から4連勝の奇跡を起こし、ワールドシリーズでも86年に及んだ“バンビーノの呪い”を解いたあの年のレッドソックスだ。

 データを見る限り、初戦はともかく、連敗スタートだけは絶対に避けなければいけないのは明白。データ的にはワイルドカードチームのロイヤルズとジャイアンツにも十分チャンスはある。カージナルスとジャイアンツがポストシーズンで対戦するのは2012年以来通算4度目。オリオールズとロイヤルズはポストシーズンで初めて顔を合わせる。

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