コラム

アメリカで育った日本人内野手、加藤豪将の2014年シーズンを振り返る

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加藤豪将選手。写真は2014年当時 [Getty Images]

人工芝と天然芝の違い? 苦労する日本人内野手


 これまで井口資仁や松井稼頭央、岩村明憲、最近では川崎宗則、田中賢介、中島裕之と多くの日本人内野手がアメリカでプレーしてきたが、目立つ成績をあげているとは言い難い。彼らが真の実力を発揮できない理由のひとつが守備での対応の難しさにある。一般的には、人工芝が多い日本の球場でプレーしていたため、天然芝がほとんどのメジャーの球場にフィットしにくいと言われている。メジャーに行った後、日本で慣れ親しんだポジションからコンバートされる選手も多い。

 そこで注目を集めているのが2013年6月のドラフトでニューヨーク・ヤンキースから2巡目(全体66番目)で指名された加藤豪将内野手だ。日本人選手がメジャーのドラフト上位で指名されるのは初ということもあり、日本でも大きく報じられた。

 内野手がゴロを捕る際、日本では「打球の正面に入って捕る」と教えられることが多い。一方、アメリカでは打球に対し直線的に入り、逆シングルで捕ることを推奨する。加藤のグラブさばきや打球への入り方はアメリカ式で、ほかの日本人内野手のような苦労をすることはないだろう。だからこそ、守備からリズムを崩すということも考えにくく、これからの活躍に期待がかかる選手なのである。
では実際に、日本でのプレー経験はなく、アメリカで育った日本人内野手はどのようなプレーを見せているのだろうか。

 昨季の契約後、加藤はルーキー級のガルフ・コーストリーグ・ヤンキースに合流した。開幕戦でいきなり本塁打を放ち、50試合の出場で打率.310、6本塁打、出塁率と長打率を足したOPSは.924。アメリカの野球専門誌ベースボールアメリカ選出の有望株トップ10位に選出されるなど、順調なスタートを切った。


攻守に渡り成績を落とした今季 出塁能力の高さが特徴


 今季はA級(シングルA)のチャールストン・リーバードッグスに昇格。121試合に出場し、打率.222、3本塁打、37打点。セカンドで14失策、守備率.969と攻守に渡り、ひとつの壁に当たった。しかし、シーズン前半では打率.190だったが、後半は.251と上げているのは、来季以降に希望を持たせる数字である。守備に関しても、お世辞にも整っているとは言えないマイナーの球場では打球がイレギュラーすることも多く、14失策という数字自体は心配するほどでもないだろう。

 打撃面での加藤の特徴として四球数の多さがある。今季選んだ71四球はリーグの中で2番目に多く、出塁率は.345。打率と出塁率に1割以上差があり、そういった数字からも出塁能力の高さを感じさせる。出塁能力を重視するメジャーのチームも多く、選球眼はこのまま維持していければ大きな武器になるだろう。一方で、リーグで7番目に多い142三振を喫していることから、加藤のバッティングでの課題はいかにボールを捉えられるかではないだろうか。

 二塁打19、三塁打6、盗塁20と持ち前のスピードも生かせている。来季、加藤がAAにあがるのか、今季に続きシングルAでプレーするのかわからないが、コンタクト率とアップと守備の向上がメジャーへの課題だ。

 まだ20歳になったばかりの加藤が、どのようなサクセスストーリーを歩むのか。今から本当に楽しみである。

文=京都純典(みやこ・すみのり)
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