現時点ではイチロー獲得に動いている球団はマーリンズとオリオールズだけ
ヤンキースからFAになっているイチローの周辺があわただしくなってきた。先日「マーリンズから2年契約オファーか」という一報も流れたが、その後オファー内容は1年200万ドル(約2億3600万円)程度だと地元紙で報じられた。そして今週水曜日にはアストロズがブルージェイズからFAになっていた外野手のラスマスと契約したことを発表し、同選手を狙っていたオリオールズがイチロー獲得に関心を示しているとされている。
現時点ではイチロー獲得に動く(動いている)球団はマーリンズとオリオールズだけと言っていいだろう。イチローサイドとしてはオファーがあったとされるマーリンズをいち早く選ぶのか、それともオリオールズなど他チームの動向をしっかり見極めているのか…。
もっともイチローがフィットするのはオリオールズ!?
マーリンズは単年契約で、レギュラーの外野手3人が盤石のなか、控えとしてのオファーである。3人にケガがなければ、イチローの先発出場は週に1~2試合、それ以外は代打、代走、守備固めとなるだろう。打席数は多くてシーズン200前後になると推測される。
一方、外野手補強が急務のオリオールズは、昨季150試合近く“1番ライト”を務めたマーカーキスの穴を埋められないでいる。数年前までのイチローの“指定席”が空いている状態だ。レギュラー級の外野手がそろって右打ちであることも、イチロー獲得に追い風となるはず。また現時点のロースターに1、2番を打つタイプの打者や昨季2桁盗塁を記録した選手が一人もいない。まさにイチローがオリオールズの解決策、最後のピースとなる可能性が高いのだ。1番ライトにすっぽり収まり、昨季並みのプレーを見せることができれば年間400~500打席も十分可能だ。
さらにイチローの念願でもある世界一に近いのもオリオールズの方だろう。オリオールズは昨季ハイレベルと言われるア・リーグ東地区で2位ヤンキースに12ゲーム差をつけ優勝。今季も優勝争いに絡むのは必至だ。一方のマーリンズは昨季ナ・リーグ東地区4位で優勝したナショナルズから19ゲームも離された。発展途上の選手も多くワイルドカード争いがやっとといったところか。また、ドジャースから昨季のナ・リーグ盗塁王ゴードンを獲得するなど1、2番タイプの選手もそろっている。仮にイチローが先発するとしても7~8番など下位を打つことになるだろう。そうすれば打席数にも影響がある。
2チーム以外には川崎の残留が決まったブルージェイズ、古巣マリナーズなど、控え外野手の補強が必要とされるチームもまだある。しかし「3000安打」と「世界一」に最も近づけるチームはオリオールズの他ないだろう。早ければ今月中にも移籍先決定のニュースが流れるはず。イチローは一体どのチームのユニホームに袖を通すのだろうか。