開幕直前にチームの“主軸”が離脱…
現地時間5日、ジャイアンツのハンター・ペンスがオープン戦で死球を受け、左腕を骨折するというニュースが飛び込んできた。
2年連続で全試合出場を果たし、昨季は打率.277で20本塁打、74打点と打線の中軸を担う右翼手の離脱は、ワールドシリーズ連覇を狙うチームに大きな痛手となる。
幸い全治6~8週間と開幕から1か月ほどで復帰できる見通しだが、ともに昨季16本塁打放ったパブロ・サンドバルとマイク・モースをオフに流出しており、チームの攻撃力、特にパワーの面で大きな不安を残すこととなった。
そこで、さらなる期待がかかるのが、今季ジャイアンツの「1番・レフト」で起用が見込まれる青木だ。外野ならどこでも守ることができ、ペンスの復帰までの間はライトに回るということも十分に考えられる。今後のオープン戦ではライトで試される機会もあるだろう。
ジャイアンツは、ペンスの故障によって開幕から約1か月間は深刻な長打力不足に陥るとみられる。だからといって青木に求められるものは変わらない。
出塁率.350、20盗塁。これが今季、チームが青木に期待する最低限の数字だ。
メジャーに移籍した2012年からの出塁率は.355→.356→.349。盗塁数は30→20→17と変遷している。昨季は初のア・リーグでのプレーで不慣れな面もあっただろう。今季はナ・リーグに戻り、12~13年の成績に近づく可能性は高い。
ペンスの故障箇所が左腕ということもあり、復帰後もパワーの面で不安が残る。そうなるとチームはより機動力を前面に押し出した攻撃を展開するはず。そうなれば青木には、メジャー1年目の30盗塁を上回る数字を期待したいところだ。
青木は、今週始まったオープン戦でここまで2試合に「1番・センター」、「1番・レフト」で先発。ジャイアンツでのデビュー戦は3打数1安打1盗塁を記録し、2試合目は2打数無安打ながら四球を1つ選んでいる。出塁率は2試合で.333とまずは合格点だ。守備ではレフトを守った5日のカブス戦で6イニング、4度の守備機会を無難にこなした。
ペンスの故障もあり、青木は当面は出場機会を失うことはないだろう。ただし、チームの長打力不足が深刻化し、青木の出塁率が3割2分程度に停滞することがあれば、トレードなどで長打が打てる打者獲得に乗り出してもおかしくはない。
メジャー4年目を迎える青木。控えスタートだった1年目は自力でレギュラーを奪い取り、昨季は夏場まで不振が続くも9月以降は打率.379と調子を上げてロイヤルズのア・リーグ制覇に貢献した。今季、早速訪れたチームの試練を救う青木の活躍に期待したい。