コラム 2015.03.13. 17:30

デーブ監督の救世主? 「オールドルーキー」入野貴大の球歴とは

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遅れてきた“黄金世代”ルーキー・入野貴大は楽天の救世主になるか ©BASEBALLKING
入野貴大 ,

先発で「ソフトバンク打線を3回無安打」の衝撃!


 開幕まで約2週間。「開幕一軍」、「開幕ローテーション」、「開幕スタメン」の文字に、ファンとしての楽しみが加速してくる時期である。

 昨秋ドラフト5位ながら、開幕ローテーション入りが期待されているのが、入野貴大(楽天)だ。ルーキーといっても、すでに26歳。独立リーグ『四国アイランドリーグplus(四国IL)』に7年間在籍し、試合で投げることに関してはベテランと言っていい。

 3月1日のソフトバンク戦では先発を任され、昨季の日本一打線を3回ノーヒットに抑える好投。明石健志と内川聖一にはフォーク、柳田悠岐にはストレートで勝負を挑み、いずれも三振を奪った。

 試合後、入野は「思い切って投げることだけ考えました。与えられたチャンスをムダにせず、結果を出したいです」とコメント。大久保博元監督は「まぐれでノーヒットはできないよ。非常に心強い新人が出てきて、先発で使えると確信した」と太鼓判を押した。

 入野は1988年11月生まれ、高知県出身。楽天を2013年の日本一に導いた大エース・田中将大(現・ヤンキース)、前田健太(広島)、坂本勇人(巨人)らと同じ“88世代”だ。

 小学校4年生で野球を始め、野市町立(現・香南市立)野市中学校では軟式野球部に所属。内野手を務めていたという。

 当時、全国中学校軟式野球大会(全中)に出場できるのは、四国から1校のみ(2009年から2校)。同じ高知県には全国レベルの強豪・明徳義塾中学校があり、入野が3年の年には、高知県大会、四国大会と勝ち続け、そのまま全国制覇した。

 その陰で、入野に目立った記録やエピソードは見当たらないが、母校・野市中は2012年に全中初出場を達成。中学軟式野球が盛んな地域で、いい指導を受けてきたのだろう。ドラフト当日に締めていたネクタイは、野球部の顧問だった先生にもらった大切な一本だそうだ。

 中学卒業後は、県立岡豊高校に進学。入学当初から内野を守っていたが、3年春から本格的に投手転向した。といっても、3年夏の県大会は背番号6でマウンドに立ち、2回戦敗退で高校野球を終えることになる。

四国ILからプロへ――そして、師弟対決への期待!


 高校卒業後は、大学進学が決まっていたというが、広島にあったプロ育成野球専門学院へと進路変更。しかし、プロへと続くはずの専門学校は、わずか1年で廃部となる。それでも夢をあきらめず、四国IL(当時は、四国・九州アイランドリーグ)へ。2008年から、愛媛マンダリンパイレーツでプレーした。

 1年目から先発、中継ぎ、抑えとなんでもこなし、2012年までの5年間で、183試合に登板。18勝9敗14セーブという記録を残した。しかし、それなりの実績を残し、ドラフト候補として名前が挙がっても、結局、指名されることはない。そこで大きな転機となったのが、2013年の徳島インディゴソックスへの移籍だった。

 チームを率いていたのは、元プロ投手の島田直也監督。練習中も細かいミスを決して見逃さず、常に試合を想定しながら練習を重ねることで、意識から変わっていったという。

 2013年は中継ぎとして優勝に貢献し、2014年に先発転向。ペース配分などは試合で投げながらつかんだというが、前期だけで13試合9勝2敗。後期はチーム事情から中継ぎや抑えもこなし、終わってみれば16勝3敗2セーブ。総合優勝の原動力となり、最多勝、年間MVPを受賞した。

 そして、2014年秋のドラフト。楽天の1位は、四国が生んだ高校野球界のスター・安樂智大(愛媛・済美高校)。入野は5位指名ながら、悲願のプロ入りを果たした。指名された瞬間、はにかんだようなホッとしたような笑顔を見せた瞬間が印象に残る。

 迎えたキャンプでは、一軍帯同。紅白戦、オープン戦というサバイバル競争を経て、堂々のローテーション候補として残ったのだった。

 ちなみに、プロへと背中を押してくれた恩人である島田監督は、今季からDeNAの投手コーチに就任。奇しくも師弟そろって「プロ1年目」である。

 オープン戦登板後、「ずっと目指していたプロで投げられて嬉しい。もっとレベルアップして、大きな舞台で投げたいです」とも話した入野。

 セ・パの下位チームにあって、日本シリーズでの対決を望むのは酷かもしれない。それでも、そう遠くない日、教え子が大舞台で投げる姿を、敵ベンチから見守る師匠がいる――。そんな想像をすることも、様々な球歴が行き交うプロ野球を見る楽しみのひとつだと思うのだ。

文=平田美穂(ひらた・みほ)

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