ブルージェイズの勢いが止まらない。今月上旬に怒涛の11連勝をマーク。首位攻防となったヤンキースには1勝2敗と負け越したが、そこから9勝2敗と再び立て直し、現在ヤンキースに1.5ゲーム差をつけ地区首位に立っている。
原動力はなんといっても強烈な破壊力を持つ打線だ。MVP候補のドナルドソンがア・リーグ打点部門で1位を独走。本塁打部門でも1位のネルソン・クルーズ(マリナーズ)を3本差で追っており、2冠も射程に入っている。そのドナルドソンが2番を打ち、3番に今季31本塁打、88打点のバティスタ。4番には30本塁打、91打点のエンカーナシオンが座る。さらに7月に移籍してきたトゥロウィツキ、強打の捕手・マーティンなどが控える。
ブルージェイズの今季総得点は718点で2位のヤンキース(627点)に100近い差をつけている。今月だけで2桁得点を5試合記録するなど、打線の勢いは留まるところをしらない。
総得点数に話を戻すと、現在メジャー2位のヤンキースとは91点差。シーズン終了時に100まで差を広げていれば、これは1953年のブルックリン・ドジャース以来の快挙となる。その年、ドジャースはメジャー2位のヤンキースに154点差をつける猛打を誇った。
打撃力のブルージェイズに対し、メジャー最高勝率を誇るのが強力な投手陣を擁するカージナルスだ。現在の総失点数はメジャー唯一の300点台(387)。2番目に少ないドジャース(464失点)とは77点の差がある。
積み重ねていく得点に比べ、失点数は2位との差を一気に広げることは困難だが、シーズン終了時に2位との差が100以上あれば、1907年のシカゴ・カブス以来である。その年、カブスは328失点で、2位のシカゴ・ホワイトソックス(475)に実に147もの差をつける鉄壁の投手力を誇った。
カージナルスは春先に故障でエースのウェインライトを欠いており、決して盤石の状態ではない中での成績である。ちなみにチーム防御率は現在2.64。2点台のままシーズンを終えれば、1989年のドジャース以来、26年ぶりとなる。
今季ブルージェイズとカージナルスはレギュラーシーズンでの対戦はないが、もしワールドシリーズで対戦が実現すればリーグ随一の“打撃力vs投手力”というファンにはたまらない好カードとなる。
※数字は全て30日終了時