昨年の経験を糧に...
脳震とうから復帰2戦目(現地時間21日・対パイレーツ)を迎えたジャイアンツの青木宣親が“定位置1番”で3安打の固め打ちを見せ、チームを6対4の勝利に導いた。
復帰戦だった昨日は不慣れな6番を打ち、3打数1安打だったが、約1週間の“休養”が青木にはいいリフレッシュになったのかもしれない。
昨季はロイヤルズの一員としてワールドシリーズに進出するも、現在所属するジャイアンツに3勝4敗で屈し、世界一はお預けに。再びプレーオフ、そして世界一を目指すべく、ライバル球団への移籍を選択した青木は、捕手のポージーやワールドシリーズMVP左腕のバムガーナーといった優勝の味を知り尽くしたチームメートらとともに、同地区のライバル・ドジャースとし烈な地区優勝争いを繰り広げている。
振り返れば、青木は昨季も夏場に負傷し、6月から7月にかけて約3週間戦列を離れた。ほぼ1年前の8月24日の時点では打率.261まで落ち込んでいたが、翌日以降は29試合中24試合で安打を放つなど、最終的には打率を.285まで上げてレギュラーシーズンを終えた。
圧巻だったのは2番に固定された9月の活躍だ。月間打率は.379と打ちまくり、タイガースとの地区優勝争いでは一歩届かなかったものの、見事ワイルドカードで球団29年ぶりのプレーオフ進出に貢献した。
9月のチーム成績は15勝11敗だったが、プレーオフではワイルドカードゲーム、地区シリーズ、リーグ優勝シリーズを怒涛の8連勝で勝ち進み、ワールドシリーズにまで登りつめている。
青木はワールドシリーズ前の8連勝中は打率.259とまずまずだったが、ワールドシリーズでは14打数1安打と不本意な成績に終わった。逆にこの結果が世界一への思いを強くする一因となったのだろう。特に指名打者制のないサンフランシスコでは3試合全てでスタメン落ちと、悔しい思いをしていた。
ジャイアンツは青木本人と同じく2年連続のプレーオフ進出を狙うが、現在地区首位のドジャースに1.5ゲームの差をつけられている。それも、戦力的にはカーショー、グリンキーという2枚看板を擁するドジャースが有利との見方が圧倒的だ。
しかし、ジャイアンツは最近5年間で3度の世界一に輝いており、経験値ではドジャースを圧倒する。青木も昨季の夏以降の経験が生きることは必至だろう。昨年9月のような大活躍で再びチームをプレーオフへと導くことができるか。青木のこれからに期待したい。