初めてのナショナルリーグ、マイアミ・マーリンズでの1年目を終えたイチロー。シーズン打率は渡米後ワーストの打率.229、安打数も初めての2桁(91安打)と消化不良に終わった。
しかし出場試合数は過去3年間で最も多い153に上り、15年連続2桁となる11盗塁も記録。守備でもメジャーでは自身初となる無失策で1年を終えた。先月42歳になったイチローは来季、特に打撃面で再びその輝きを取り戻すことができるだろうか。
イチローといえば、日本時代から天性のスピードで多くの内野安打を稼ぎ高打率をマークしてきた。マリナーズ時代はシーズン40~50本を内野安打で記録。すべてのゴロの数に対して内野安打が何本あったかを示す「内野安打率」は、2005年の9.5%を除くと、2002年から2014年まで毎年10%以上をマークしていた(野球統計サイト「Fangraphs」より)。
2014年は内野安打率が14.9%と自身3番目に高い数字を残したが、15年は半分以下の6.9%に激減。仮に14年と同じ14.9%だった場合、15年のシーズン打率は.269に跳ね上がる計算だ。持ち前のスピードを生かし切れず内野安打率が大きく減ったことも低打率を招いた一因といっていいだろう。
また、内野安打率とも関連するが、本塁打を除くフェアゾーンに飛んだ打球がヒットになった割合を示す「BABIP」も自己ワーストの.257に終わった。メジャー通算の平均が.340、2014年も.346をマークしていた。足の衰えもあったと推測できるが、それ以上に運が悪かった可能性が高い(ポテンヒットが少なかった、ライナーが野手正面をつくなど)。
42歳で迎える来シーズンは今年以上の試練が待っているのだろうか。ここからは42歳以降も現役を続け安打製造機ともいわれた3選手をピックアップし、41歳と42歳のシーズンを比較してみた(その年の1月1日時点の年齢)。何かとイチローの比較対象とされるピート・ローズは45歳まで現役を続け、通算4256安打を積み重ねた。41歳のシーズンは151試合に出場し、打率.245と自己ワースト打率に終わったが、翌年には121試合の出場ながら、打率.286と巻き返しに成功している。
1990年代から2000年代にかけてインディアンスなどでいぶし銀の活躍を見せたオマー・ビズケルは、その堅守で知られたが、通算2877安打を放ったヒットメーカーでもあった。ビズケルは41歳シーズンの62試合、打率.266から42歳シーズンは108試合、打率.276と出場機会を増やすとともに、打率も若干だが上げることに成功した。
2002年に引退したティム・レインズは首位打者1回、盗塁王4回、オールスターにも7度選出された名選手だった。41歳のシーズンだった2001年に51試合の出場ながら打率は.301をマーク。しかし2002年は前年の2倍近い出場機会があったが、打率は.191と低迷し、その年限りで引退した。
イチローはローズやビズケルのように成績を伸ばすことができるのだろうか。先述したFangraphsでは各選手の2016年の成績予測を掲載している。選手の年齢や実績などから自動で数字を弾き出しているとされるが、イチローの2016年の予測成績は以下の通りだ。
120試合、打率.252、115安打、13盗塁
出場機会は減るが、打率、安打などは今季を上回るとしている。これが的中すれば、来年のオールスター前後にもメジャー通算3000安打に到達する。再び走攻守すべての面で輝くイチローの姿をファンは心待ちにしている。
しかし出場試合数は過去3年間で最も多い153に上り、15年連続2桁となる11盗塁も記録。守備でもメジャーでは自身初となる無失策で1年を終えた。先月42歳になったイチローは来季、特に打撃面で再びその輝きを取り戻すことができるだろうか。
イチローといえば、日本時代から天性のスピードで多くの内野安打を稼ぎ高打率をマークしてきた。マリナーズ時代はシーズン40~50本を内野安打で記録。すべてのゴロの数に対して内野安打が何本あったかを示す「内野安打率」は、2005年の9.5%を除くと、2002年から2014年まで毎年10%以上をマークしていた(野球統計サイト「Fangraphs」より)。
2014年は内野安打率が14.9%と自身3番目に高い数字を残したが、15年は半分以下の6.9%に激減。仮に14年と同じ14.9%だった場合、15年のシーズン打率は.269に跳ね上がる計算だ。持ち前のスピードを生かし切れず内野安打率が大きく減ったことも低打率を招いた一因といっていいだろう。
また、内野安打率とも関連するが、本塁打を除くフェアゾーンに飛んだ打球がヒットになった割合を示す「BABIP」も自己ワーストの.257に終わった。メジャー通算の平均が.340、2014年も.346をマークしていた。足の衰えもあったと推測できるが、それ以上に運が悪かった可能性が高い(ポテンヒットが少なかった、ライナーが野手正面をつくなど)。
42歳で迎える来シーズンは今年以上の試練が待っているのだろうか。ここからは42歳以降も現役を続け安打製造機ともいわれた3選手をピックアップし、41歳と42歳のシーズンを比較してみた(その年の1月1日時点の年齢)。何かとイチローの比較対象とされるピート・ローズは45歳まで現役を続け、通算4256安打を積み重ねた。41歳のシーズンは151試合に出場し、打率.245と自己ワースト打率に終わったが、翌年には121試合の出場ながら、打率.286と巻き返しに成功している。
1990年代から2000年代にかけてインディアンスなどでいぶし銀の活躍を見せたオマー・ビズケルは、その堅守で知られたが、通算2877安打を放ったヒットメーカーでもあった。ビズケルは41歳シーズンの62試合、打率.266から42歳シーズンは108試合、打率.276と出場機会を増やすとともに、打率も若干だが上げることに成功した。
2002年に引退したティム・レインズは首位打者1回、盗塁王4回、オールスターにも7度選出された名選手だった。41歳のシーズンだった2001年に51試合の出場ながら打率は.301をマーク。しかし2002年は前年の2倍近い出場機会があったが、打率は.191と低迷し、その年限りで引退した。
イチローはローズやビズケルのように成績を伸ばすことができるのだろうか。先述したFangraphsでは各選手の2016年の成績予測を掲載している。選手の年齢や実績などから自動で数字を弾き出しているとされるが、イチローの2016年の予測成績は以下の通りだ。
120試合、打率.252、115安打、13盗塁
出場機会は減るが、打率、安打などは今季を上回るとしている。これが的中すれば、来年のオールスター前後にもメジャー通算3000安打に到達する。再び走攻守すべての面で輝くイチローの姿をファンは心待ちにしている。