野球統計サイト「Fangraphs」に現地時間30日、「The Best Pitcher in the World(世界で最も優秀な投手)」と題した記事が掲載された。球団の評価システムなどを開発しているという「NEIFI」という組織が、メジャーリーガーらの将来性なども予測している。
記事では2016年の先発投手の防御率と24歳以下の投手のピーク時の防御率をシステム的に予測し、それぞれ上位10人を公表している。特徴的なのは、メジャーリーガー(もしくはマイナーリーガー)にとどまらず、日本のプロ野球や韓国、キューバのリーグに所属する選手も対象にしている点だ。
2016年の予想防御率1位はドジャースのクレイトン・カーショーで2.35と予測。以下、ホゼ・フェルナンデス(マーリンズ)の2.75、クリス・セール(ホワイトソックス)の2.87と続く。そして6位にランクインしたのが日本ハムの大谷翔平だ。防御率3.08と予測されているが、これは「大谷がもしメジャーで投げた場合」という仮定の数値である。ちなみにダルビッシュが3.19で11位に入っており、同社の予測では大谷がダルビッシュを上回っていることを示している。
また大谷の今季成績とダルビッシュが日本ハム時代に最も活躍した2011年シーズンの各種成績を比較して、ほぼ同じ活躍度数だったことにも触れている。しかし今季大谷が20歳で開幕を迎えたのに対し、ダルビッシュはそのシーズン24歳だったことに触れ、“大谷のスゴさ”を解説している。
そして現在24歳以下の先発投手に限定した「将来のピーク時の防御率ランキング」では、大谷が堂々2位にランクイン。1位はホゼ・フェルナンデスで2.66、大谷が2.76で続き、3位にはドジャース傘下に所属する19歳のメキシコ人左腕フリオ・ユリアスが3.37で選ばれた。大谷と3位投手の差は0.61もあり、将来的には大谷が世界トップ2の先発投手になると予測している。
ちなみに阪神の藤浪晋太郎が同ランキングの7位(予測防御率3.59)に入っており、同じ年の日本人2人が将来的に世界で活躍するレベルだと見ているようだ。ただし記事は、ポスティングなどの現行システムでは大谷がすぐにメジャーに渡る可能性は低いことにも触れつつ、同年代の投手たちの中でもサイヤング賞をも狙える逸材だと締めくくっている。