コラム 2016.01.27. 05:30

勝負の5年目を迎える日本人スラッガー 中日・高橋周の球歴とは?

2歳から野球を始めた逸材スラッガー!


 Aクラスの常連から一転、2013年から3年連続Bクラスに沈む中日。今季は谷繁元信監督が選手兼任から監督専任となり、チーム一丸となって巻き返しを狙う。そんななかで期待を集める若手のひとりが、高校卒5年目入団の野手・高橋周平だ。

 高橋は1994年1月生まれの22歳。神奈川県藤沢市出身で、8歳上の兄の影響により、2歳の頃から野球に親しんでいたという。藤沢市立善行小学校1年生で本格的に野球を始め、藤沢市立善行中学校時代は、硬式クラブ「湘南クラブボーイズ」に所属。2年夏のボーイズリーグ全国大会優勝、続く全日本中学野球選手権大会(通称・ジャイアンツカップ)準優勝。

 3年夏はボーイズリーグ全国大会ベスト4、ジャイアンツカップベスト8。強豪クラブの中心選手として試合で結果を残し、その才能をきらめかせていた。なお、昨秋ドラフト1位で中日の指名を受けた甲子園優勝投手・小笠原慎之介(東海大相模高)は、高橋と同じく善行中の卒業生で、湘南クラブボーイズの出身である。

 中学卒業後は、親元を離れて東海大学付属甲府高校(山梨)へ。県内の強豪・横浜高校に憧れていたというが、東海大甲府高の指導者の熱心な誘いに心を動かされた。

 1年春から5番・サードとしてメンバー入り。夏から4番に座ると、3年間、主軸の座を譲ることはなかった。中学時代はホームランバッターではなかったというが、1年夏を過ぎる頃から長打力が開花。2年生になると、ホームから約100メートルほどの位置に、高さ約8メートルの「高橋ネット」が設置されるように。それをも越えていたなど、高校時代の飛距離伝説は数知れず、高校通算71本塁打を放った。

 主将として臨んだ高校3年夏の山梨県大会は、準々決勝敗退。在学中の甲子園出場はならなかった。しかし、甲子園大会終了後、アジアAAA野球選手権に出場する日本代表に選出。甲子園出場メンバーがそろうチームの3番打者として、決勝の韓国戦では2ランを含む4打点。優勝に貢献し、MVP、打点王、ベストナインに選ばれた。

 プロやメジャーのスカウトも視察に訪れた国際大会で、20打数13安打13打点。それも木製バットを使っての打撃である。当時の新聞には「プロの一軍でクリーンアップを打てるスイング」「3割30本打てる」「左投手の変化球にも対応できる。球界を背負う打者になれる」といったコメントが並ぶ。

 迎えた2011年秋のドラフトは、菅野智之(東海大→日本ハム1位→指名拒否して翌年、巨人1位)、野村祐輔(明治大→広島1位)、藤岡貴裕(東洋大→ロッテ1位)ら、大学生投手が目玉だった。そのなかで高橋は、中日、ヤクルト、オリックスの3球団が競合して1位指名。抽選の末、中日が交渉権を獲得した。


勝負のプロ5年目、開花の年となれ!


 プロ1年目は開幕一軍。6月17日にはプロ初本塁打を放ってみせた。これはドラフト制以降、高卒新人では史上最年少(18歳4カ月)の記録。球団内の高校卒新人としては、97年8月の森野将彦以来、15年ぶり8人目と話題になった。一軍で41試合に出場し、11安打、2本塁打。しかし、1年目の主な活躍の場は二軍で、7本塁打でウエスタンリーグ本塁打王を獲得している。なお、この年のウエスタンリーグ首位打者は、当時5年目だった中村晃(ソフトバンク)である。

 2年目はキャンプ、オープン戦で体調を崩すなど躓き、食生活から見直して復活。一軍で66試合出場、5本塁打、二軍ではフレッシュオールスターに出場するなど、着実に成長を見せた。8月1日の阪神戦で満塁本塁打を放ち、球団史上最年少(19歳6カ月)の満塁本塁打と話題になった。なお、セ・リーグの最年少満塁本塁打記録は、坂本勇人(巨人)の19歳3カ月。高橋は2位にあたる。

 3年目の2014年には背番号が31から9に、翌2015年には3に変更。球団の期待がストレートに感じられる「昇格」である。2015年は51試合出場にとどまったが、シーズン終了後は台湾ウインターリーグに派遣されるなど、期待値の高さは変わらず。

 オフは各種イベントや行事をこなしながら、「練習は毎日やっています」とキッパリ。幼少の頃から兄の指導を受け、中学、高校時代は指導者も認める練習の虫。その本質は変わらない。

 今年はプロ5年目。大学進学を経た「同級生」がプロの世界に入ってくる年である。4年間の努力を証明するために、低迷するチームを救うために――。世代トップを走っていた逸材野手・高橋周平、勝負の年が始まろうとしている。

文=平田美穂(ひらたみほ)

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