メジャー通算500盗塁に残り2、3000安打まで65!
これまで数々の記録を打ち立ててきたマイアミ・マーリンズのイチロー。メジャー16年目を迎える今季も、大記録が目前に迫っている。
まずは、残りふたつと迫っているメジャー通算500盗塁だ。メジャー移籍以降、シーズン最少盗塁は昨季の11ということを考慮すれば、今季中の達成はほぼ間違いないだろう。
2006年に盗塁成功率.957(47回企図45回成功)を記録したように、イチローは盗塁数が多いだけではなく、成功率も非常に高い。メジャー15年間で成功率が8割を切ったのは5度で、成功率9割以上のシーズンが2度もある。
メジャーでの通算盗塁成功率は.814(612企図498成功)。この数字は、通算盗塁の世界記録1406盗塁を持ち、「史上最高のリードオフマン」ともいわれるリッキー・ヘンダーソンの通算成功率.808よりも上だ。
そして、もうひとつ。イチローは、メジャー通算3000安打にも残り65まで迫っている。昨季、渡米後ワーストの打率.229に終わったシーズンでも91安打を放っていることから、こちらも今季中の達成は確実と見ていい。
仮に、昨季と同じ打率だったとしても284打数で3000安打に到達する計算だ。1試合で4打数と計算すると、シーズンの約半分の試合にスタメン出場すれば3000安打に届くことになる。16年目での3000安打到達となれば、ピート・ローズと並ぶスピード記録でもある。
同一シーズンでの達成となれば史上初
過去、メジャーリーグで通算3000安打は29人、500盗塁は37人が達成している。そのうち、3000安打と500盗塁の両方を成し遂げたのはわずかに6人。戦後ではルー・ブロック、ポール・モリター、リッキー・ヘンダーソンの3人しかいない。
また、過去の6人はいずれも3000安打と500盗塁を異なるシーズンで達成している。最も近いモリターでも、3000安打は1996年、500盗塁は1998年で2シーズン離れている。つまり、イチローは史上初となる「同一シーズンに3000安打と500盗塁達成」に挑むのである。
では、イチローがそれぞれの記録に到達するのはいつごろだろうか。メジャーの公式サイトには、過去の記録などから計算した記録達成の予想日が載っているのだが、それによれば500盗塁は現地時間の4月24日、サンフランシスコでのジャイアンツ戦。3000安打は7月5日、ニューヨークでのメッツ戦が達成予想日となっている。
もはやイチローがどんな記録を打ち立てても驚かないが、史上初となる同一シーズンでの金字塔達成なるか。今から大いに注目したい。
文=京都純典(みやこ・すみのり)