34年ぶりの2年連続Bクラスに沈んだ昨季
1980年代から1990年代にかけて、圧倒的な強さを見せた西武ライオンズだが、21世紀になってからのリーグ優勝はたったの3回。かつての強さは影をひそめ、気づけば2008年の日本一以来、7年もの間リーグ優勝から遠ざかっている。
昨季は、24年ぶりの開幕5連勝を飾り、前半戦は3位で折り返した。しかし、後半戦に球団ワースト記録の13連敗を喫するなど最大11もあった貯金を使い果たしてしまった。結局、1976~1981年に6年連続Bクラスを記録して以来となる、2年連続Bクラスの4位に終わった。
チーム打率.263、136本塁打はいずれもリーグ2位。チーム防御率は3.69でリーグ4位と決して悪くはない。では、西武が今季克服する必要がある課題は何だろうか。
昨季、西武はデーゲームで33勝17敗、勝率.660とリーグトップの強さを発揮したが、ナイターでは36勝52敗5分、勝率はリーグワーストの.409。昼と夜でまったく逆の結果を残してしまったのである。対ソフトバンク戦は、トータルで7勝16敗2分と大きく負け越したが、ナイターだけで見ても3勝12敗2分と散々な数字だ。
デーゲームのチーム打率は.283。一方、ナイターは.251。投手陣もデーゲームは防御率3.37だったが、ナイターは3.90と投打ともにナイターを苦手にしていた。
ナイターで軒並み成績を落としている主力選手
ナイターでのチーム成績が悪いということは、当然、主力選手も軒並み成績を落としている。
十亀剣はデーゲーム7勝1敗、防御率2.85に対し、ナイターは4勝6敗、防御率4.01。牧田和久は、防御率こそデーゲーム3.86に対しナイターは3.63とナイターのほうがよかったが6勝9敗と負け越した。
野上亮磨はデーゲームの防御率2.66に対し、ナイターは5.07と2点以上悪かった。先発陣では、岸孝之がデーゲームで防御率4.72、ナイターで2.78と“夜型”だったのが目立つくらいだ。
リリーフ陣も増田達至がデーゲームで防御率0.93に対し、ナイターは4.40。クローザーの高橋朋己はデーゲームで防御率1.11だったが、ナイターでは4.10だ。
野手陣では、シーズン安打の日本記録を樹立した秋山翔吾がデーゲームで打率.380に対し、ナイターでは.348。どちらも高打率をキープしたものの、ナイターでは数字を落とした。
浅村栄斗はデーゲームで打率.290に対し、ナイターでは.260。中村剛也はデーゲームで打率.316に対し、ナイターでは.259と6分近く打率を落としたが、本塁打はデーゲームに19本、ナイターで18本と大きな差はなかった。
若手の森友哉は、デーゲームで打率.318に対し、ナイターは.270。メヒアはデーゲームで打率.251に対し、ナイターでは.225。炭谷銀仁朗はデーゲームで打率.258に対し、ナイターは.180という数字が残っている。
なんと、主力野手のなかでデーゲームよりナイターのほうが高打率を記録したのは栗山巧だけだった(デーゲーム.243、ナイター.282)。
ここまで昼と夜で成績がハッキリと分かれるのは本当に珍しいし、その理由が一体どこにあるのか気になるところだが……リーグ優勝するには克服しなければならない重要な課題である。2016年も、17時開始の3試合を含め95試合のナイターが予定されている。今季の西武のナイターでの戦いは、果たしてどうなるだろうか。
文=京都純典(みやこ・すみのり)