最後の最後で持って行った涌井
ロッテの石垣島キャンプも19日で終了。このキャンプで最も輝いた選手といえば、28年ぶりとなる高卒内野手の開幕スタメンを狙い、連日メディアを賑わせたルーキー・平沢大河と言いたいところだが、最後の最後に涌井秀章が持って行った。
17日にモデルの押切もえさんとの交際を宣言し、一躍時の人となった涌井。それまでのロッテ石垣島キャンプは「平沢」一色だったが、このニュースで一変。平沢を押しのけ、文句なしの石垣島MVPだ。
連日“平沢番”をしていたマスコミも、一斉に涌井を追いかける。17日に今キャンプ最多となる102球を投げ込んだ涌井だが、18日にはなんと倍近い205球を投げ込み、ブルペンが騒然となった。
大嶺祐太、大谷智久らと同時にブルペン入りした涌井は、変化球を交えながら黙々とピッチング。他の選手が投球練習を終えて続々と引きあげる中、涌井だけが黙々と投げ続けた。
18日はあいにくの雨天で、本球場での練習は13時前には終了。駆けつけたファンは室内練習場か、隣接するブルペンを見学するかになるのだが、その多くがただ1人で投げ続ける涌井を見守っていた。
途中、ニ軍で調整を行っている福浦和也とサブローの2人がその“異変”に気づき、打席に入って涌井のブルペンを鼓舞する。2人が大きくうなずいたことで、その球威が本物ということが分かる。
約2時間近く行われた「涌井劇場」。見ていたファンからは「すごいね」とため息交じりの声も聞こえた。
すでに伊東監督は涌井の開幕投手を明言している。3月25日、本拠地QVCマリンで迎える日本ハムとの一戦。お互いに順当に行けば大谷翔平との対戦になる。
恋人を招待するのかは定かではないが、“怪物”との投げ合いを制し、開幕戦勝利のプレゼントを届けることができるのか…。そこに注目が集まることは間違いない。