江川が提言「新たな松坂像を」
21日の「Going! Sports & News」(日本テレビ)で解説者の江川卓氏がソフトバンクのキャンプ地を取材。国内復帰2年目で、昨季登板なしからの復活を期す松坂大輔の状況などに迫った。
江川氏はブルペン入りした松坂の状態について、「手術から順調に回復しておりフォームは戻っているものの、ストレートの勢いはまだまだ」とコメント。
しかし取材から数日たった21日のフリーバッティングでは、昨季“トリプルスリー”の柳田悠岐に対して20球を投じ、本人も納得の投球ができたようだ。
江川氏は「(今季は)シュートなど新しい代名詞となる球種を増やすことで、新たな松坂像をつくる」ことなどを提言していた。
2014年オフに3年総額12億円ともいわれる大型契約を結んだ松坂だが、復帰1年目の昨季はまさかの登板なし。すでに「不良債権」「お荷物」とも揶揄され、その前途は多難だ。
ソフトバンクほどの球団なら影響は少ないだろうが、年額4億円もの投資に対し、リターンが「実質ゼロ」だった松坂の契約は他球団なら経営を圧迫しかねない。
このオフに前田健太がドジャースと結んだようなインセンティブ(出来高)に比重がかかった契約をプロ野球として義務化することも一案ではないだろうか。
高額年俸の選手が不良債権化することは戦力ダウンにつながるだけではなく、球団の経営を圧迫し、他の選手への活躍に応じた年俸を抑圧することにもなりかねない。
高額契約にはインセンティブを
ケガがつきものの米プロアメリカンフットボール(NFL)では複数年の大型契約を結んでも、球団側はいつでも選手を解雇でき、選手側には不利な仕組みになっている。
サラリーキャップがあるためだが、球団側にとっては成果を上げた選手にはそれに見合った報酬を支払うシステムは理にかなっていると言っていいだろう。
プロ野球でも、たとえば年俸2億円以上の契約に関しては、一軍での年間登録日数などで下限を設け、それを下回った場合は数十パーセントの年俸の返還もしくは、契約年数短縮を義務化することもできるだろう。
選手側の反発は必至だが、しっかり活躍した選手にその返還分が充てられれば、球団経営が健全化し、他選手への評価もより適正なものになると考えれば悪くないのではないだろうか。
高額年俸の契約の在り方についてプロ野球全体でも考えてしかるべき時期にきている。プロ野球選手はあくまでも個人事業主である。その年の成果(活躍)に見合った報酬(年俸)を受け取るのが世の常であるべきだ。