ダルやマー君もTwitterを利用
1990年代後半、インターネットの普及によってスポーツ選手とメディアの関係が大きく変わった。その一番の例がサッカーの中田英寿だった。彼は自身のホームページから直接ファンにメッセージを発信し、メディアを介さないその手法は今や当たり前となっている。最近ではTwitterやFacebookといったSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)による情報発信が盛んだ。
野球選手で有名なのはダルビッシュ有(レンジャーズ)と田中将大(ヤンキース)の2人だろう。メディアの前ではあまり多くを語らないダルビッシュだが、Twitter上では特にトレーニングに関するツイートが多い。その意識の高さ、取り組みは「だからメジャーで活躍できるのか」と多くの野球ファンを唸らせる。
一方、田中はその大らかな性格を感じさせる親しみのあるつぶやきが、ファンから共感されている。自身でアイドル好きを公言しているだけに、AKB48やももいろクローバーZにまつわるツイートやメンバーのつぶやきをリツイートする一面も。田中のTwitterは「名門ヤンキースのピッチャー」というよりも「ごく普通の27歳」という目で見ても面白いかもしれない。
日本のプロ野球界に目を向ければ、日本シリーズ2連覇を達成したソフトバンクはTwitterで情報発信する選手が多い。球団からiPhoneが支給されているのもその要因かと考えられる。一番人気はチームを引っ張る「マッチ」こと松田宣浩。頻繁につぶやくことはないが、フォロワーは14万人を超える。
最近では不動のショート・今宮健太がTwitterを開始し、本人自ら「ホンモノだよ!」とつぶやくなど大いにホークスファンを喜ばせている。プロ野球選手のSNSの場合、今の時期ならキャンプ休日のオフショットや、球場に向かうバスの車内での様子など野球ファンが見られない場面が多く登場するのも魅力の一つだ。
しかし、使い方を間違ってしまえば多大な影響を与えるリスクもある。13年、パ・リーグ某球団の選手が女子高生が交際相手に殺害された事件について「自業自得だ」とツイート。この出来事に球団へ多くの抗議電話が殺到するなど反響は大きく、該当の選手は厳重注意を受けた。
また、翌14年にはDeNA(当時)の中村紀洋が自らのFacebookで首脳陣を批判する投稿を行い物議を醸した。記憶に新しいのは巨人の3選手による野球賭博事件の捜査の手がかりの一つとなったのが、該当選手のTwitterでの」やりとりだった。管理する球団側としては、新人選手に対しSNSの使い方について徹底させる、もしくは使用させないといった教育も昨今は必要だ。
SNSに熱中する反面、野球の成績が落ちて「本業をまじめにやれ!」とファンから野次られる姿はできるだけ見たくない。