コラム 2016.03.09. 05:30

開幕まで1カ月!この秋を賑わせる?東京六大学の注目選手たち

投手では慶応のMAX153キロ右腕が急浮上


 毎年のようにプロ野球選手を送り込んでいる東京六大学野球。4月9日(土)に開幕する春季リーグ戦に向けて、今秋のドラフトで指名されそうな選手を中心に、活躍が期待される注目選手をチェックしていきたい。


 まずは、慶応大の加藤拓也投手。慶応高から慶大に進み、最高球速は153キロを誇る。

 ひとことで言えば本格派右腕で、オーバーハンドから投げ下ろす直球は威力十分。荒削りなところもあるが、球速以上に球に力を感じる投手だ。

 同じく慶大から中日に入団した福谷浩司(中日)に似たようなフォーム。通算16勝を、この1年でどこまで伸ばせるか。「投げた試合はすべて勝ちたい。ベストを尽くした結果、ドラフトで指名されたらいい」と本人は自信満々に語る。

 巨人がとくに注目しているという情報も早くも出ており、プロでも2ケタ勝利を期待できる選手だろう。


 明治大の柳裕也投手も注目だ。横浜高から明大に進み、MAX146キロという直球が武器。

 体重を大きく落としてタメることができ、テイクバックから肘を回転させる投げ方が特徴。ストレートにもスライダーにもキレがあり、将来性は十分だ。

 プロのスカウトも「制球がいいし、打者の攻め方を知っている。投げ損なっても甘いコースへ行かない」と大絶賛。リーグ戦通算12勝とやや物足りなさもあるが、ここ1年で急速に成長してきたことを考えると、これからどこまで化けるのか、楽しみだ。


東大にもドラフト候補が!


 打者では、早稲田大の石井一成内野手を注目したい。

 181センチ、76キロと恵まれた体格で、右投げ左打ちの遊撃手。リーグ戦での通算打率は.285とそれほど高くはないが、勝負強い打撃と遊撃の守備には定評がある。

 プロのスカウトも「打ち方がいい。プロでも通用する」と話すなど、今後が楽しみだ。

 そして早大にはもう一人、候補がいる。中沢彰太外野手だ。

 静岡高校時代から注目された男は、左打ちで鋭く振り切るスイングから力強い打球を飛ばす。確実性に欠けるところもあるが、50メートルを5.9秒で走る俊足も魅力で、外野手の間に落とせば、脚力で長打にしてしまう。

 今季を前に、「プロに行きたいので、しっかり結果を出したい」と意気込んでおり、活躍に期待がかかる。


 立教大の佐藤拓也投手/外野手もおもしろい存在だ。

 投手としては、スピードは130キロ前後も、カーブとツーシームを同じフォームで投げ分けることができるため、打ち崩すのに苦労する。

 浦和学院高時代にはエースとして活躍したが、立大進学後は打者に転向。1年春から外野手として6試合でスタメン出場するなど、早くもチームの主力になった。

 「投手か野手か、プロ入りを考えたとき、野手の方が可能性あると思った」と決断。リーグ戦では通算.347と高打率を残す。

 リーグ戦でベストナインに2度も選ばれ、大学野球の日本代表にも選出された。将来的にも有望な選手である。


 そして最後に、東大にも一人ドラフト候補がいる。山本俊投手だ。

 リーグ戦では通算0勝8敗と未勝利ながら、東大の投手としては最速の148キロをマーク。

 「プロへは行けたら行きたいが、今のままでは厳しいと思う」と本人は話しているが、プロのスカウトは「荒々しい投げ方には躍動感がある。プロで鍛えれば通用する可能性もある」と早くもドラフトリスト入りを明言。2016年は、まず“1勝”を目指す。

 果たしてこの秋、このうち何人の選手がプロ入りしているのか。今から楽しみだ。
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