セ・リーグで注目の同級生決!
「高校野球100年」と節目の年となった昨夏の甲子園。全国制覇を果たしたのは神奈川の東海大相模だった。
原辰徳(元巨人)を筆頭に数多くのプロ野球選手を輩出してきた同校にあって、現在活躍が大いに期待されているのが菅野智之(巨人)と田中広輔(広島)の同期生コンビだ。
2人は在学中、2年春にセンバツ出場を果たしているが、田中がレギュラーで出場していた一方で、菅野はベンチ入りもしていなかった。
最後の夏は強敵・横浜と準決勝で対戦。菅野の「振り逃げ3ラン」もあって決勝進出するが、甲子園出場はならず。2人の高校野球は幕を閉じた。
いまや巨人の大黒柱となった菅野
その後、進んだ東海大でもチームメイトだった2人。大学4年間で進化を遂げた菅野は、2011年にドラフトの目玉として大きく脚光を浴びる。
しかし、伯父・辰徳が監督を務める巨人を熱望したが、日本ハムが強行指名。競合となり、くじ引きの結果、交渉権を獲得したのは日本ハムだった。
結局、菅野は入団拒否。浪人の道を選択すると、1年後の秋に巨人からドラフト1位指名を受け、晴れて巨人の一員となった。
大学時代は155キロを超えるストレートを武器にしていた菅野だったが、プロ入り後はコントロールを重視した投球へと変化。1年目は新人王こそ小川泰弘(ヤクルト)に譲ったがものの、13勝を挙げてその実力を発揮する。
2年目の2014年には初めて開幕投手を任され、12勝5敗、防御率2.33の好成績でセ・リーグ3連覇に貢献。リーグMVPと最優秀防御率のタイトルも獲得した。
昨年は10勝11敗と負け越すも、防御率は1.91と前年よりも成績を良くしている。いまや巨人の先発陣を支えるエースに成長を遂げ、今シーズンも開幕投手の最有力候補として名前が挙がっている。
広島の「2」番を継承した田中
一方の田中は、大学卒業後に社会人野球の強豪・JR東日本に入社。俊足巧打のショートとして1年目から活躍し、在籍中は2年連続でチームの都市対抗準優勝に貢献した。
社会人日本代表にも選ばれ、スカウトの目に留まると、菅野のプロ入りから1年後に広島へドラフト3位で入団。1年目から開幕一軍入りを果たすと、シーズン途中からはショートのレギュラーに定着した。
ルーキーイヤーは110試合に出場し、打率.292、9本塁打と活躍。2年目の昨シーズンは開幕からスタメンで出場し、一時は1番打者を任されるなど、終わってみればチームトップの149安打をマーク。打線が低迷した広島にあって、田中の存在感は際立っていた。
今年から、かつての名ショート・高橋慶彦(現オリックスコーチ)が背負った背番号「2」を身にまとう。球界を代表する遊撃手へ…。より一層の飛躍に期待がかかっている。
なお、この2人の同期生対決はすでに実現している。昨年の菅野vs田中の対決は、18打数7安打と田中が菅野をよく打った。
今年も東海大相模-東海大の“同期生対決”が巨人-広島の見どころの一つとなりそうだ。