渡辺最高顧問ら首脳3人が辞任
昨年11月に福田、笠原、松本竜の3選手が野球賭博に関与していたことが発覚し、3選手を無期失格処分としたばかりの巨人軍が、8日、新たに高木京介投手が野球賭博に関与していたと発表。開幕直前に起きてしまったスキャンダル。一体、巨人はどうなってしまったのか…。
3選手の野球賭博に始まり、今年2月にはOBの清原和博が逮捕と、暗い話題が多かった最近の巨人。しかし、チームは高橋由新監督率いる新チームでスタートし、春季キャンプではルーキー重信や、岡本らの活躍で、暗い話題をプレーで払拭していた最中だった。昨年の3選手の不祥事もあり、春季キャンプでは野球賭博を含む暴力団関係とのかかわりなどに関する「有害行為再発防止」の研修会が開かれた。その席に、今回発覚となった高木京の姿もあったというから驚きだ。
球団側は、昨年以降、各選手への聞き取り調査を行ってきたが、今回の発覚に関しては高木京が嘘の供述をし、球団も高木京の証言を鵜呑みにしてきた。2月末に週刊文春の取材を受けた球団は、今月に入ってから調査を開始し、高木京に問い詰めたところ関与を認めたという。
この不祥事で、巨人は渡辺恒雄球団最高顧問と白石興二郎オーナー、桃井恒和球団会長の辞任を発表。久保球団社長は「首脳が責任を取ることにより、公式戦は参加したい」と沈痛な表情で話したが、これを許していいものか疑問が残る。
04年の裏金問題で渡辺オーナー(当時)は辞任したが…
巨人は去る2004年、一場靖弘投手(当時明大)に裏金を渡していたという不祥事を起こしている。その時の処分は当時オーナーだった渡辺氏が辞任、土井球団社長ら4人が解任されたが、渡辺氏は居残り続け、オーナーから球団代表取締役会長そして最高顧問と肩書を変えて現在に至る。ある関係者は言う。
「結局“ナベツネ”の球団だからね。今回の形をとったとしても、裏ではどうせ発言したり命令したりするのだから、あくまで建て前の処分だよね。仮に今回発覚してなかったら、高木京はマウンドに何に食わぬ顔で上がっていたと思うし。形だけの処分ではなく、これだけの大問題を起こしたのだから、ペナントレースの何らかのペナルティを課さなければいけないのではないか」。
他球団の反応はどうだろうか。「他人事には思えないけど。少しひどいね。ナベツネさんが辞任っていうのは驚いたけど、チームへの処分は何もないのかね?見守るしかないけど」と、他球団関係者は表情を曇らせた。
お茶の間からテレビ中継が消え、ただでさえ“野球離れ”が起こっている昨今。球界を代表する巨人の不祥事は、プロ野球界に大きな影響をもたらす。NPBも、巨人のフロントが責任を取ったから“いい”ではなく、今後のプロ野球界を考えた処分を下すべきである。