期待に応えられなかった1年目
愛くるしい顔、少しぽっちゃりした体型…。沖縄出身の元気印。今季のDeNAリリーフ陣を盛り上げるのが福地元春だ。
昨年のドラフト4位左腕は、1年目から一軍初登板を果たし、13試合の登板で防御率2.87という成績を残した。
ところが、球団の評価は厳しいもので、契約更改の席では「即戦力として獲得したのに、その活躍をしていない」と言われてしまった。福地自身もその自覚を持っており、今季に賭ける思いは強い。
球団としても、今季は貴重な左の中継ぎの軸として、大きな期待をかけてのハッパだった。
2年目の進化
沖縄県名護市の出身。三菱日立パワーシステムズ横浜から2014年のドラフト4位でDeNAに入団した。
今オフは山口俊、中日の浅尾拓也と一緒にグアムで自主トレを行い、万全の状態でキャンプに入った。昨年も、同じ左腕の岡島秀樹を慕ってアドバイスを求めるなど、勉強熱心な面を見せた福地。今年は山口、そして浅尾からいろいろなものを“盗んだ”ようだ。
その中のひとつが、新たな武器として習得したチェンジアップ。直球真っ向勝負のタイプなだけに、ゆるい球種が増えたのは福地にとってかなりの収穫となる。
「自分は球威で押して抑えるタイプ。変化球に頼った投球はしたくない」と豪語していたが、このチェンジアップにはかなりの可能性を感じているようで「チェンジアップは腕を振らないと効果がないボール。真っ直ぐと同じ感覚で腕を振れるので、いいと思います」と自信をみせる。
今季の目標は、まずは40試合登板になる。「タフさは自分のひとつの長所だと思います。とにかく勢いを前面に出した投球でアピールしたいです」と意気込む。
九州共立大時代の同僚たちにも、ライバル心を燃やしている。
1学年下の広島・大瀬良大地に加え、同級生にはヤクルト・竹下真吾、ロッテ・川満寛弥がいる。彼らに負けない一心でここまで来た。
ちなみに、同期入団の倉本寿彦が発案した「ひらがなのサイン」が、早くもファンの間で大人気。誰からも愛されるキャラの福地が、新生DeNAリリーフ陣のキーマンになる。