常に全力疾走
「5番ライト、ジェイミー・ロマック」。ラミレス監督が発表した現時点のベストオーダーに名を連ねた横浜の新外国人選手ロマック。この選手は当たりだ。
カナダからやってきた助っ人は、マイナー通算200本塁打の右の大砲だ。195センチ、97.5キロと、外国人らしい体つきで、その太ももの太さは競輪選手並み。そのパワーは実証済みで、宜野湾キャンプ最終日の韓国ネクセン戦では、推定140メートルの場外弾を放ち、相手はもちろん自軍ベンチも、そのパワーに凍りついたほどだ。
キャンプ中は、自国カナダのナショナルチーム用のリュックサックを愛用し、日本の報道陣とも気さくにやり取りを行うなど、その人柄もいい!さらに驚かされたのが、ロマックのグラウンド内での行動だ。
試合のイニング間、ロマックはまるで日本の高校球児のように、守備位置とベンチ間を走るのだ。普通の外国人選手なら歩いたり、もしくはジョギング程度で移動するものだが、ロマックは全力疾走。「私はグラウンドで歩いたことがないんだ。グラウンドは常に走るところだと思っている」。
研究熱心な一面も…
一方で、こちらも外国人離れした研究熱心な一面も持つ。キャンプ中に日本人選手との対戦で内角球への対応の必要性を痛感したというロマックは、キャンプ期間中に早くも内角球そして日本人投手対策を実践した。
「重心を後ろに残して、できるだけ長くボールを見ることが大事。内角が打てるということを見せておけば、シーズンに入ってから相手投手は別のコースで勝負しなければいけなくなるはずだ」と、不敵な笑みを浮かべた。
今季開幕広島戦では、広島先発が左腕ジョンソンということもあり、右打者をオーダーに並べたいベンチの意向もあり、5番で開幕スタメンが濃厚だ。ラミレス監督は「ロマックには160三振してもいいから、25~30本塁打を期待している」と、絶対の信頼を寄せている。
3番ロペス、4番筒香、5番ロマック。今年の横浜のクリーンアップは、いったい何点を稼ぎだすのか。マシンガン打線の復活も大いにある。筒香との勝負を避け、ロマックで勝負。この戦術は、きっと痛い目にあうだろう。