ギャレットは貧打巨人の救世主となれるか...
セ・リーグ最低のチーム打率.243、リーグ4位の98本塁打と、かつての強力打線からは考えられないほどの打撃不振に悩まされた昨季の巨人。なかでも、外国人野手が期待を大きく裏切った。
巨人の外国人野手で本塁打を放ったのは、7本塁打のアンダーソンだけ。フランシスコは18打数3安打、カステヤーノスは20打数2安打、セペダに至っては21打数ノーヒットに終わった。
4人の外国人野手を合わせた成績は293打数64安打、7本塁打。打率にして.218だ。
安打はセ・リーグ最少で、打率と本塁打はヤクルトの外国人野手に次いで少なかった。ヤクルトはバレンティンがケガでレギュラーシーズンのほとんどを棒に振ったことを考えれば、昨季の巨人の外国人野手はリーグ最低だったと言える。
そこで、このオフにロッテからルイス・クルーズとニューヨーク・ヤンキースからギャレット・ジョーンズを獲得した。クルーズは日本球界の経験もあることから、ある程度の計算は立つだろう。また、カギとなりそうなのが、ギャレットだ。
メジャー通算122本塁打、6年連続2ケタ本塁打など大砲として期待がかかるギャレットだが、左投手を大の苦手にしている点は気になる。
昨季、右投手に対しては121打数28安打で4本塁打、打率.231だったが、左投手に対しては23打数3安打で1本塁打、打率.130。メジャー通算で見ても、右投手には2342打数621安打、打率.265の105本塁打だったが、左投手には582打数113安打、打率.194で17本塁打と極端に成績が落ちる。
打数を見てもわかるように、メジャーでは主に対右投手の打者として起用されていた選手なのだ。
来日1年目で結果を残した選手が少ない巨人
来日以降、ギャレットは10日までのオープン戦全試合に出場し、ここまで30打数9安打2本塁打。慣れない環境で打率3割もあれば合格だが、左投手に対しては8打数2安打とやはり右投手に比べて結果を残せていない。
2本塁打もバース(日本ハム)、二保旭(ソフトバンク)といずれも右投手から打ったものだ。
三振以外でアウトになった17打席はすべてがフライと、典型的な打ち上げるタイプで長打が出る確率も高いが、左投手が苦手という大きな弱点がある選手を中軸に置くのはやや不安だ。
不安になるデータはほかにもある。過去、巨人の外国人野手で来日1年目に100試合以上出場したのは、2013年のロペスまで11人。そのうち、クリーンナップで100試合以上に出場したのは1980年ホワイト、1991年ブラッドリーのふたりだけだ。
来日1年目に30本塁打以上放ったのは1984年のクロマティ(35本)しかおらず、規定打席に達して打率3割以上を残したのも2013年のロペスだけである。
来日1年目に30本塁打以上、打率3割以上を残した外国人野手の人数は、ともに巨人がリーグ最少だ。
果たして、シーズンが始まってからギャレットは左投手を克服できるのか。バリバリのメジャーリーガーであるギャレットが巨人を救うのか、大いに注目だ。
文=京都純典(みやこ・すみのり)