コラム 2016.03.14. 17:30

「打たれるための投球」を受け入れて…打撃投手という仕事

「打たれるのが仕事」の投手


 プロ野球12球団には、打撃投手というスタッフがいることをご存じだろうか。

 打撃練習、とくにフリーバッティングのときにはマシンを使った練習が主流になるが、実際の投手が投げる球、いわゆる“生きた球”を打った方が練習になる。

 そこで各球団は打撃投手を雇い、練習で投げてもらうのだ。球団によっても違うが、打撃投手の在籍数は10人程度。年俸は500から800万円が相場だという。プロ野球で投手だった人がほとんどで、引退直後に声がかかることが多い。

 多い人で、1日に300球も投げるというから、ちょっとした重労働だ。一軍でスポットライトを浴びる選手がいる一方で、それを支える裏方さんがいる。黙々と投げるだけで、世間から注目を浴びることもない。だが、彼らの存在がなければ、チームの打撃力向上もないのだ。


“豪華メンバー”そろう巨人の打撃投手


 ここでは巨人の打撃投手を調べてみた。2016年は、11人体制。その中に目を引く人がいた。あの藤井秀悟である。

 2000年に早大からドラフト2位でヤクルトに入団。2001年には14勝で最多勝を獲得するなど、ヤクルトの主戦投手として活躍。その後、日本ハム、巨人、DeNAと渡り歩いたが、左肘痛にも悩まされ、2013年限りで現役を引退した。

 実は、ヤクルト時代から心臓疾患をかかえていたという。初めて打撃投手を経験する藤井だが、普通の投手に求められる役割ではなく、打者に気持ちよく打たせることが目的で、最初はなかなかうまくいかなかったと苦労も語っていた。

 さらにもう一人、気になる投手を発見した。木村正太。岩手県生まれで、一関一高時代には公式戦でノーヒットノーランを2度も達成。3年時には21世紀枠で甲子園に出場し、東北高のダルビッシュ有(現レンジャーズ)、秋田商の佐藤剛士(元広島)とともに「東北ビック3」と呼ばれて注目を浴びた。

 “鉄腕機関車”の愛称でも親しまれた木村は、2005年のドラフト5位で巨人へ入団。ただし、一軍登板は2009年だけで、主に中継ぎとして起用されるも、勝利投手にはなれなかった。打撃投手は2013年から務めている。

 そして、もう一人いた。朝井秀樹。この名前は覚えている人も多いだろう。

 PL学園では2年夏に甲子園に出場。背番号10ながら実質的なエースとして3回戦まで進んだ。3年時は野球部の暴力事件で甲子園出場はならなかったが、2002年に大阪近鉄へと入団する。

 2004年オフの分配ドラフトで新球団・楽天へ移籍。2007年から主戦投手として活躍し、2008年には自身初の2ケタ勝利(11勝)をマークした。

 2010年シーズン途中に巨人へ移籍し、12年限りで引退。昨年は女子プロ野球・京都フローラの投手コーチを務め、今季から巨人の打撃投手を務めることになった。

 昨季の巨人はとにかく打てなかった。チーム打率はリーグ最低。それだけに、打撃投手にかかる責任も大きい。

 投手として、打者を抑えることが仕事ではなく、打たせることが目的。そこに難しさはあるだろう。それが仕事だと割り切ることができるか、大きなポイントになる。

 けっして脚光を浴びることのない、縁の下の力持ち。裏方さん。そんな彼らの仕事に、敬意を表したい。

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