それぞれの土地柄、特色が出た「食堂」
メジャーリーグのスタジアムには、必ず報道陣用に「マスコミサロン」なる場所が存在する。
日本でいうところの「食堂」に近いもの。だが、大きく違うのは、メジャーの球団は球団職員と報道陣がほぼ“ファミリー化”していることかもしれない。
日本の球団というと、対マスコミに対して一線を画しているが、向こうにはそれがほとんどない。試合前のサロンは穏やかな雰囲気で、球団広報と報道陣が同じテーブルで談笑する光景がよく見られる。
サロンはビュッフェ形式がほとんどで、その土地柄にあったメニューが出されることが多い。例えば、シアトルでは海の近くということもあって海の幸を盛り込んだメニューが、テキサスでは「テキサスサイズ」と呼ばれる大きいピザや肉など、各都市でいろんな物が食べれられるのも、報道陣の楽しみのひとつになっている。
驚くのは、3Aの球団にも必ずサロンが存在するということ。メジャーほどの規模ではないが、熱々のホットドックなどが楽しむことができる。
そんなメジャーリーグサロン、報道陣の1番人気はシアトル・マリナーズのクラムチャウダー。これ、まさに絶品である。
もうひとつ挙げれば、ワシントン・ナショナルズのソフトクリーム。バニラとストロベリーのミックスなのだが、これまた絶品なのだ。
日本ではあまり馴染みがなく...
もちろん、美味しく快適なスタジアムばかりではない。あえて書かないが、不評なスタジアムも複数存在している。
サロンだけでなく、メジャーは試合中にも記者席にはコーヒー、ジュース、ポップコーン、そしてホットドックが常備され、試合中は食べ放題。米国記者に“大きめ”の方が多いのは、このせいだろうか……。
残念ながら日本には、このような形式の球場はない。東京ドームのようにサロンを常設しているスタジアムはあるが、記者席には無く、ほとんどの報道陣がコンビニなどであらかじめ用意しているというのが現実だ。
そこで、メジャー様式を目指している楽天には、是非メジャーを真似してほしい。何故、報道陣にそこまで……という声もあるとは思うが、スタジアムのようにとことん細部までメジャー様式にこだわってほしい。仙台に行くのが楽しみになるはずだ。