「大混セ」…一夜にして2位から5位に!
昨シーズンに続き、今シーズンもセ・リーグが大混戦の様相を呈している。
1日、快進撃を続けていたDeNAが西武に大敗を喫すると、その一敗によって2位から5位に転落。各球団の順位が日々の結果によって目まぐるしく変わっている。
また、1日の試合前の時点では、昨年のBクラス3球団(広島、DeNA、中日)がAクラスを占めるという“珍現象”も起こっていた。
クライマックスシリーズ(CS)が始まった2007年以降、巨人が9年連続でCSに進出する一方で、DeNAは一度も進出経験がないなど、比較的明確な上位と下位の実力差が存在してきたセ・リーグ。
2007年~2008年以降で、前年のAクラス3球団の顔ぶれが翌年にどれだけ変わっていたかを調べてみると、セ・リーグは8回のうち7回で前年Aクラスの3球団のうち2球団以上が再びAクラスを占めていた。つまり今年でいうと、昨シーズンのAクラス3球団にあたるヤクルト、巨人、阪神のうち2球団以上がAクラスを占めるということになる。
興味深い「セ・パ逆転現象」
一方、パ・リーグでは2球団以上が連続でAクラスを占めたケースが8回のうち3回まで。ほかの5回は1球団以下となっており、「順位予想」という視点では非常に難解なリーグとなっている。2013年から14年にかけては、AクラスとBクラスが“総入れ替え”になる現象さえ起きていた。
今シーズンのセ・リーグは、その時(2013年~14年)のパ・リーグと似た状態になっている。
それも、首位から最下位までが5.5ゲーム差以内という大混戦。その一方で、パ・リーグは圧倒的戦力を誇るソフトバンクが2位ロッテに6ゲーム差をつけており、その差が縮まる要素も今のところ見当たらない。順位的にも、昨シーズンと違うのは2位と3位(ロッテ、日本ハム)が入れ替わっているだけだ。
日替わりで順位が変わるセ・リーグに対し、6球団の実力差がはっきりしはじめたパ・リーグ。これらはCS開始以降のセ・パの傾向と正反対となっており、興味深いところだ。
今週から交流戦が始まり、まだまだ消化した試合数は少ないものの、セ・リーグ6球団が7勝5敗と幸先の良いスタートを切った。これまで交流戦といえばパ・リーグがセ・リーグを圧倒してきたが、ここでも両リーグ間の“逆転現象”は起きるのだろうか。
約3週間後、交流戦が終わった時の各リーグの状況に要注目だ。
文=八木遊(やぎ・ゆう)