MLBで交流戦がはじまったきっかけも人気回復のため
5月31日から、12年目となる日本生命セ・パ交流戦がはじまった。NPBでの交流戦は2004年の「再編問題」をきっかけに、人気回復施策のひとつとして2005年からホーム・ビジター各3試合ずつ6回戦総当たりで開催されるようになった。
MLBの交流戦(インターリーグ)も、開始のきっかけはNPBとよく似ている。1994年から1995年にかけて起こったストライキの影響でファンの野球離れが深刻になった。そこで、1997年からアメリカン、ナショナル両リーグの東地区同士、中地区同士はどちらかのホームで3試合の計15試合、西地区同士はホームとビジター各2回ずつ4試合、計16試合の形で交流戦がはじまったという経緯がある。
NPBは、昨季からリーグ対抗形式となり対戦も1カード3試合ずつ、各球団18試合行うが、MLBは興行面の効果を最優先に組まれ日本のようにすべての球団と対戦することはない。そのため、ひとつの球団が成績上位の球団とばかり対戦することもある。先に挙げた興行面以外にも、広大な国土に両リーグ合わせて30球団あるため、すべての組み合わせを網羅すると選手に大きな負担をかけてしまうという理由もある。
開幕戦で昨年のワールドシリーズの再戦も!?
また、交流戦が行われる時期も日本とは大きく異なる。MLBも当初はNPBのように集中開催だったが、2005年からは5月と6月の分割開催に変更された。そして2013年、リーグ再編が行われ、それまではアメリカン・リーグ14チーム、ナショナル・リーグ16チームだったが、ヒューストン・アストロズがナ・リーグ中地区からア・リーグ西地区に引っ越し、両リーグとも15チームずつになった。
両リーグのチーム数が奇数になったため、開幕節から最終節まで常に最低1カードの交流戦が組まれるようになり現在に至る。各球団、ほぼ1カ月に1カードの交流戦が組まれていて、ダルビッシュ有が所属するテキサス・レンジャーズ今を例に挙げると今季の交流戦は以下の通りだ。
5月27日~29日 ピッツバーグ・パイレーツ
6月17日~19日 セントルイス・カージナルス
7月15日~17日 シカゴ・カブス
8月8日~11日 コロラド・ロッキーズ
8月23日~24日 シンシナティ・レッズ
9月26日~28日 ミルウォーキー・ブルワーズ
先に、開幕節から最終節まで最低1カードの交流戦と記したが、開幕戦が交流戦になる球団もある。今季はカンザスシティ・ロイヤルズとニューヨーク・メッツが交流戦での開幕を迎えた。そう、昨年のワールドシリーズの再戦がいきなり開幕戦で実現したのである。今季の日程が発表されたのは昨年の9月であり、開幕戦がワールドシリーズの再戦となったのは偶然だったが、ちょっとした話題となった。
さて、NPBの交流戦ではパ・リーグが圧倒的な強さを見せているが、MLBではどうか。昨年までの交流戦の成績はアメリカン・リーグの2565勝2299敗。2004年から12年連続でアメリカン・リーグが勝ち越している。日米ともにDH制を敷いているリーグが大きく勝ち越しているのは、単なる偶然ではないだろう。
文=京都純典(みやこ・すみのり)