状況によって成績が偏っている益田
3位のロッテは7月12日現在、首位ソフトバンクを8ゲーム差で追う。チーム打率はパ・リーグ4位の.259ながら、得点はリーグ最多の381。チーム防御率はリーグ3位の3.56と投打にバランスのとれた戦いを見せている。
ソフトバンク追撃のためには、とにかく負けられない戦いが続くが、開幕からセットアッパーとしてチーム最多の18ホールドを記録していた内竜也がケガで戦列を離れた。リリーフ陣の防御率はリーグ2位の2.85と安定しているが、内の離脱がどれほどの影響を及ぼすか気になるところだ。
内とともにセットアッパーの一角を担っていた益田直也は、最近2シーズンは不振だったが、今季は見事に復活した。ここまでチーム最多の39試合に登板し、3勝0敗15ホールド、防御率は1.17。クローザーの西野勇士につなぐ役割をしっかり果たしている。
内の離脱により益田の役割はこれまで以上に大きくなるが、状況によって成績が偏っている点が気になるところだ。
本拠地QVCマリンフィールドでは18試合に登板し17イニングを投げ無失点。ビジターの試合では21試合に登板し21回1/3で6失点5自責点と、極端な“内弁慶”だ。
また、デーゲームでは防御率0.40に対し、ナイターでは防御率2.30。右打者を被打率.203に抑えているが、左打者にはサイド気味のフォームで球の出どころが見やすいせいか被打率.306とよく打たれている。苦手とするビジターでのナイターで、左打者に対してどういったピッチングを見せるかが今後の課題となりそうである。
南はセットアッパーに定着できるか
6年目の南昌輝もより奮起が求められるひとりだ。昨季は一軍での登板はなかったが、今季は開幕一軍入りを果たし、ここまで33試合に登板している。
開幕から交流戦が終わるまではビハインドの場面での登板が続いたが、内の離脱後は僅差の場面でも起用されることが増えてきた。7月6日の西武戦は1点ビハインドの7回に登板し、三者連続空振り三振に打ち取りその裏の逆転を呼び込んでいる。
昨季までは制球難を指摘されることが多かったが、今季は与四球率2.92と比較的安定してきた。奪三振率8.36と三振をとれる点も南の強み。また、本拠地で防御率1.19、ビジターでは1.20で、右打者に対し被打率.194、左打者には.205と状況によって得意不得意があるわけでもない。今後はリードしている場面での登板も増えていくだろうが、南がこれまで通りのピッチングを見せ、益田とともにセットアッパーを任せられるようになれば内の穴を十分に埋められる。
ソフトバンクの独走にストップをかけるためには、勝てる試合は確実に勝っていきたい。そのためには、勝ちパターンの継投を確立できるかが大きい。益田は状況による得意不得意があり、南は経験のなさという不安要素があるなかで、どれだけ結果を残せるか。終盤の戦いに向けて大きなポイントになりそうだ。
文=京都純典(みやこ・すみのり)