コラム 2016.08.15. 06:30

史上3人目の900試合登板を達成した岩瀬仁紀の凄さ

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中日の岩瀬仁紀

MLBでも900試合以上登板は偉業


 中日の岩瀬仁紀投手が、8月6日のDeNA戦で8回に5番手として登板し、プロ野球史上3人目となる通算900試合登板を達成した。プロ野球通算最多登板は、阪急などでプレーした米田哲也の949試合、2位は国鉄(現ヤクルト)、巨人で活躍した金田正一の944試合である。現役で岩瀬の次に通算登板が多いのは五十嵐亮太(ソフトバンク)だが、696試合と岩瀬とはまだ200試合以上も差がある。

 海の向こうMLBでも、通算900試合以上に登板した投手は昨季終了の段階で24人しかいない。マイアミ・マーリンズのイチローが達成した通算3000安打以上の選手はこれまで30人いるが、900試合以上登板はそれよりも少ない人数だ。900試合以上の登板は、MLBでも偉業なのである。

 岩瀬のプロ初登板は1999年4月2日の広島戦で、以降における先発登板は2000年10月8日の広島戦1試合のみ。899救援登板は日本最多記録である。ほかにも通算402セーブ、15年連続シーズン50試合登板、9年連続シーズン30セーブと多くの日本記録を持っているが、とくに目を引くのが通算セーブと連続シーズン50試合登板だ。

 通算セーブの現役2位は藤川球児(阪神)の223。現役で200セーブ以上挙げているのは岩瀬と藤川だけで、シーズン40セーブを通算10年も記録しなければならないことを考えると、今後更新されない可能性もある。

 岩瀬の場合、プロ入りから最初の5年はセットアッパーとして投げ、5年目終了時のセーブ数はたったの6だった。そこから400近いセーブを積み上げたこともまた驚きだ。


昨季まで3年連続50試合以上登板は9人


 近年、投手の分業制が確立され、ペナントを勝ち抜くためにはいかに勝ちパターンの継投を見出すかがポイントになっているが、その分リリーフ投手に負担がかかることも多い。昨季まで、3年連続でシーズン50試合登板したのは12球団を見渡しても巨人のスコット・マシソンと山口鉄也、阪神の福原忍と安藤優也、日本ハムの宮西尚生と増井浩俊、ソフトバンクの五十嵐亮太、ロッテの益田直也、オリックスの佐藤達也の9人しかいない。高いパフォーマンスで投げ続ける難しさを、この数字が物語っている。このうち宮西と山口は8年連続50試合以上登板しているが、それでもようやく岩瀬の半分を過ぎたばかりだ。

 岩瀬の通算成績を改めてみると、900試合に登板し54勝45敗402セーブ46ホールド。ホールドは同点の場面で登板しても記録されるが、それを考慮しても岩瀬は登板試合の半数以上で勝敗につながる結果を残してきたことになる。それだけの修羅場をくぐっての900試合登板である。

 900試合という節目の登板は、不運な当たりや自身のミスがあったとはいえ1アウトもとれず3失点。昨季はケガで1試合も一軍で登板できないなど、さすがの岩瀬も衰えを隠せなくなってきた。岩瀬が入団した1999年以降、中日は5回優勝し、2012年まではAクラスを保ってきた。しかし、2013年にBクラスへ転落すると昨季まで3年連続Bクラスで、今季も最下位争いと厳しい戦いが続いている。

 2014年のシーズン途中に岩瀬が離脱して以降、勝ちパターンのリリーフ陣をなかなか固定できないことも近年の不振につながっている一因だ。岩瀬とともに強い中日があったとも言えるが、いつまでも岩瀬に頼ってはいられない。もがきながらも再び這い上がろうとしているNPB史上屈指の鉄腕リリーバーの姿を見て、少しでも多くの若手投手が台頭することを望みたい。

文=京都純典(みやこ・すみのり)

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