コラム

黒田博樹の“15番”が永久欠番へ…「理想は欠番か、継承か?」

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広島の黒田博樹

球団別最多は巨人の6


 今季限りで現役引退する広島の黒田博樹。その黒田が背負った背番号「15」が、永久欠番になることが分かった。

 近年の球界では異例とも言える決断。それだけ黒田という投手が球団に残したものは大きかったのだろう。

 メジャーリーグで成功を収め、まだ余力を残しての日本復帰。そして若手を引っ張りチームの優勝に貢献。10年後、黒田が作った道に後輩の前田健太(ドジャース)も続くかもしれない。

 現在のプロ野球12球団の永久欠番は延べ16。球団別に見ると巨人6、阪神3、広島2、中日2、西武1、日本ハム1、楽天1。

 広島の永久欠番は、30年近く前に引退した衣笠祥雄(広島)の3番が最後だ。最近は球団預かりの準永久欠番がほとんどで、あの24勝0敗を記録した田中将大の18番もヤンキース移籍の際には「ふさわしい投手があらわれるまで」と準欠番扱い。最近は期待の新人選手や主力選手にチーム伝統の番号を引き継ぐケースも増えた。


巨人の「10」も将来の欠番候補?


 球団別最多の6人の欠番選手がいる巨人では、沢村栄治、黒沢俊夫、川上哲治、金田正一、長嶋茂雄、王貞治と昭和のレジェンドクラスのみ。ONのあとに4番打者としてチームを支えた原辰徳の8番も、アメリカで引退した松井秀喜の55番も正式な永久欠番にはなっていない。

 平成初の巨人永久欠番候補と言えば、阿部慎之助の「10」だろう。実働16年で通算1917安打、373本塁打を記録した球団史上最強キャッチャー。この10番は巨人でも歴代の強打者たちが背負った伝統の番号である。

 76年、前年最下位に沈んだチームを救ったのが10番をつけた張本勲。移籍初年度に打率.355、2年目は.348のハイアベレージを残し、長嶋巨人の連覇に貢献。そして、86年には移籍してきた阪急黄金時代の強打者・加藤秀司が背負い、88年からは駒田徳広が継承。駒田は恐怖の7番打者として89年の日本シリーズではMVPに輝く大活躍。驚いたことに、彼ら巨人の10番を身につけた3名の打者が最終的に2000本安打を達成し名球会入りを果たしている。

 阿部も通算2000本安打まで残り83本。来季、歴代10番4人目となる快挙達成の暁には巨人では王貞治以来、平成初の永久欠番が現実味を帯びてくるはずだ。


ヤクルトの「1」は活躍した選手が継承


 欠番か、継承か...?

 ひとつの理想型として挙げられるのが、ヤクルトの「1」だろう。

 若松勉、池山隆寛、岩村明憲、青木宣親とチームを代表する選手がつけ、2016年からは山田哲人が継承。15年オフにチーム野手最高額となる2億2000万円でサインした契約更改では、現シアトル・マリナーズの青木が背番号1のユニフォームを持ち会見場にサプライズ登場。背番号1の継承式が行われた。

 かれこれ40年以上に渡り、球団の顔となる看板プレイヤーが背負い続ける栄光の背番号。今季の山田は2年連続のトリプルスリーを記録。名実ともにチームを象徴する選手として君臨している。

 黒田のように欠番にしてその功績を称えるのか?それともヤクルトの「1」のように伝統として継承するのか...?

 どちらにせよ、偉大な背番号は時代を超え、語り継がれて行くことだろう。


文=中溝康隆(なかみぞ・やすたか)
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