CSファーストステージ第1戦
○ 阪神 1 － 0 広島 ●
＜10月11日　甲子園＞

　息詰まる投手戦を制した阪神が、5度目のCSで初めての初戦白星を挙げた。

　メッセンジャーと前田健太の投げ合いとなったゲームを決めたのは、ベテランの一発だった。6回一死で回ってきた福留の第3打席、カウント3－1から前田健太が投じた低め150キロ直球を捕えると、打球はセンターの頭上を越え、そのままバックスクリーンに吸い込まれた。

　苦しいシーズンを送りながらも、9月・10月は打率.357と調子を上げており、前田健太に対しても8打数4安打、1本塁打と当たっていたPL学園の先輩が放った値千金の一撃。前田は膝に手をつき、マウンド上でうなだれた。

　広島は1番菊池、2番丸の新打順も機能せず、先発・メッセンジャーを前に8回わずか4安打に封じられ、9回は守護神・呉昇桓の前に三者連続三振に倒れ、万事休す。中4日でマウンドに登ったエースを援護することができなかった。

　これにより、阪神は明日の第2戦で引き分け以上なら、ファーストステージ突破が決まる。また、明日以降、台風の影響もあり、開催が危ぶまれる声も出ているという状況。予備日が1日しかない関係で、2試合が中止となった瞬間に阪神の突破が自動的に決まると言う中で、普段よりも重要度の増す初戦を手にした阪神が、断然優位な立場となった。