ア・リーグ優勝決定シリーズ 第4戦
☆☆☆ ロイヤルズ － オリオールズ
＜現地時間10月15日 カウフマン・スタジアム＞

　ロイヤルズの勢いが止まらない。本拠地での第3戦も先制を許しながらも4回に内野ゴロの間に同点とすると、6回には青木の安打を足がかりに犠飛で勝ち越し。これでワイルドカードゲームから7連勝。今季オリオールズで最も勝った男・チェンに負けをつけ、ワールドシリーズ進出へ一気に王手をかけた。

　第3戦でスタジアムを最も沸かせたのは、ケーンと共にシリーズ男になりつつあるムスターカスだった。打席では無安打に終わったものの、同点の6回、オリオールズ3番のA.ジョーンズが放った三塁後方への飛球を最後はスタンドへ身体を投げ出しながらのスーパーキャッチ。ワンプレーで球場の雰囲気を変えると、その直後に勝ち越し点が生まれた。

　ムスターカスは07年のドラフトでロイヤルズの1巡目（全体2巡目）指名を受けた期待のスラッガーであるが、今季の主戦は9番。いまひとつ伸び悩んでいた大器が、この大舞台に来て7試合で4本塁打と突如の大暴れ。シーズンのチーム本塁打がメジャー最小だったチームで大きな存在感を発揮し、躍進を支えている“恐怖の9番”に注目だ。

　明日のロイヤルズの先発はバルガス。前回登板となった地区シリーズ第2戦では6回2失点の好投。18勝で最多勝を獲得したエンゼルスのウィーバーと対等に投げ合い、勝利を呼び込んでいる。

　対する崖っぷちのオリオールズはゴンザレスが先発。満を持して今プレーオフ初マウンドに登る右腕は今季10勝9敗。なかでも後半戦は6勝4敗で防御率2.19と安定した投球を披露した。実に現地時間9月28日以来のマウンドとなるが、果たして。

　ロイヤルズはもし明日勝つと、ポストシーズン初戦から8連勝というメジャー新記録を樹立する。本拠地でリーグ優勝を決め、記録で華を添えることができるだろうか。試合は現地時間10月15日午後4時（日本時間10月16日午前5時7分）、プレイボール。