ニュース 2014.10.21. 19:35

青木は1番から2番へ 好調・ロイヤルズの転機となった”全打順変更”

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リーグ優勝を果たし、チームを29年ぶりのワールドシリーズへ導いたロイヤルズのネド・ヨースト監督 [Getty Images]
 現地時間21日(日本時間22日)、いよいよMLBのワールドシリーズが開幕する。今季はともに、ワイルドカードから勝ち上がったロイヤルズとジャイアンツの対決。ともに勢いに乗り、ポストシーズンを勝ち上がってきたチーム同士の顔合わせとなった。

 特に青木宣親が所属するロイヤルズは、ポストシーズンを8連勝で駆け抜け、1985年以来となるリーグ制覇を成し遂げた。2000年以降は「お荷物球団」と揶揄されたロイヤルズだが、2010年の5月から監督に就任したネド・ヨーストがチームを建て直し、11年4位、12年と13年はともに3位、そして今年が2位と着実にリーグ順位を上げ、勢いそのままにワールドシリーズの切符を掴んだ。

 今季のロイヤルズは安定した投手陣を軸に快調に白星を重ねてきた。そして8月に8連勝をマークすると、同地区の強豪・タイガースを捕え首位に。以降、タイガースと激しいデッドヒートを繰り広げることになるのだが、その中で現在に至る機動力重視のオーダーが誕生した。

 そのきっかけとなったのが9月11日からのレッドソックス4連戦だった。前年の世界一から一転、今年は地区最下位に低迷する相手に、ロイヤルズは11、12日とホームで連敗し、約1カ月間守ってきた首位の座から陥落した。さらに12日は打線がわずかに4安打に封じられたこともあり、ヨースト監督は次の試合で、全員の打順を入れ替えるという大胆な策を講じたのだ(下記参照)。

12日のオーダー    13日のオーダー

1番(右)青木     →(遊)エスコバル
2番(二)インファンテ →(指)青木
3番(左)ゴードン   →(右)ケーン
4番(指)バトラー   →(左)ゴードン
5番(一)ホズマー   →(捕)ペレス
6番(捕)ペレス    →(一)ホズマー
7番(三)ムスターカス →(二)インファンテ
8番(中)ケーン    →(三)ムスターカス
9番(遊)エスコバル  →(中)ダイソン

 大胆な打順組み替えの結果、ロイヤルズは13日の試合を7-1で勝利し3連敗を回避。移籍後初めて2番に入った青木と、1番に抜擢されたエスコバルがともに2安打。さらに7番に降格したインファンテが3安打2打点と奮起するなど、チーム全体で12安打を放ち快勝を収めた。

 以降、中軸の構成がやや変わったが、エスコバル、青木、ケーンの上位打線は不動で、青木は15日からのホワイトソックス3連戦で球団新記録となる計11安打と爆発。ケーンはリーグ優勝決定戦でMVPに輝くなど、好守に渡る活躍でチームの顔になりつつある。

 ヨースト監督は青木の2番について「よく粘ってくれる。青木を2番に入れると相手投手の嫌がることができる」と、起用意図を説明。新天地1年目となった青木にとっても、自分の特徴を理解してくれる良き上司に巡り合ったと言える。

 現在のロイヤルズは投手陣や代走要因も含め、各選手の適材適所での活躍が光る。そんな個性派集団を束ねる知将ネド・ヨーストが、チームを29年ぶりの世界一へ導く。

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