ニュース 2014.11.10. 16:12

日米野球に見る日本人メジャーリーガーの系譜 未だ消えぬ近鉄魂

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1997年、オリックスからエンゼルスへ移籍した長谷川滋利(左)と記念撮影するドジャースの野茂英雄 [Getty Images]
 12日から『2014 SUZUKI 日米野球』が開幕する。2006年に始まったWBCの影響で一旦廃止となっていた日米野球だが、今年からは日本代表(侍ジャパン)の強化試合として8年ぶりに復活。それ以前は基本的に2年に1度のペースで開催されており、現役メジャーリーガーの凄さを生で感じられる貴重な機会となっていた。

 今回はMLBオールスターズ(米国代表)の一員として、マリナーズで15勝を挙げた岩隈久志と、手術からの復活を遂げたカブスの和田毅が凱旋。彼らは過去に日本代表としても出場しており、日米両代表としてマウンドに立つことになる。

 実は岩隈と和田以外にも、両代表で日米野球に参加した選手が過去6人存在する(下記参照)。さらに彼らの出場遍歴を遡ると、日本人メジャーリーガーの系譜も何となく浮かんでくる。

 メジャー挑戦のパイオニアと言われる野茂英雄は、近鉄1年目の1990年に日本代表選手として初出場。ルーキーながら、同年の投手タイトルを総なめしたトルネード投法は、メジャー関係者にも強烈なインパクトを与えた。それから6年後の96年、野茂はドジャースの一員として凱旋登板を果たすことになる。

 この時に注目されたのが、オリックスを19年ぶりの日本一に導いた若き天才・イチローとの対戦。第2戦に先発した野茂は、初回に1番イチローにいきなりヒットを打たれたが、その後は米国代表を勝利に導く好投を見せ、メジャーリーガーとしての面目を保った。

 2002年には、マリナーズのユニフォームに袖を通したイチローと、近鉄の若きエース・岩隈が大阪ドームで対決。この時は6回から1イニングのみの登板となった岩隈がイチローをセカンドゴロに打ち取り、大阪のファンを沸かせた。

 さらに06年には、ソフトバンクのエースとして活躍していた和田毅が、新人時代にバッテリーを組んでいた城島健司とヤフオク(当時はヤフー)ドームで対戦し、城島が和田からタイムリーを放ち先輩の意地を見せた。そして今度は岩隈や和田が先輩の立場となって、若き侍戦士の挑戦を受けることになる。

 また8人の球歴を見ると、野茂、大塚晶則、岩隈と、元近鉄戦士の健闘が光る。岩隈には近鉄魂の継承者としても、今後も末永く現役生活を続けてほしいところだ。

【日米野球に両代表で参加した選手たち】※( )内は当時の所属球団
●野茂英雄
【日本代表】1990年(近鉄)
【米国代表】1996年(ドジャース)

●佐々木主浩
【日本代表】1992、1996年(大洋、横浜)
【米国代表】2000年(マリナーズ)

●イチロー
【日本代表】1996、1998年(オリックス)
【米国代表】2002年(マリナーズ)

●石井一久
【日本代表】1998年(ヤクルト)
【米国代表】2004年(ドジャース)

●大塚晶則
【日本代表】1998年(近鉄)
【米国代表】2004年(パドレス)

●城島健司
【日本代表】2000、2004年(ダイエー)
【米国代表】2006年(マリナーズ)

●岩隈久志
【日本代表】2002、2004年(近鉄)
【米国代表】2014年(マリナーズ)

●和田毅
【日本代表】2006年(ソフトバンク)
【米国代表】2014年(カブス)
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