ニュース 2014.11.06. 18:15

三陸に草野球日本一を目指す新球団設立!GMに岩隈、マスコットはバッファローマン

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マリナーズの岩隈久志がGMに就任した三陸鉄道キットDreams設立会見の様子
 岩手県にある三陸鉄道株式会社と食品メーカー大手のネスレ日本株式会社は6日、日本一の草野球チームを目指す「三陸鉄道キット Dreams」の設立を発表した。

 この活動は東日本大震災からの復興で象徴的な存在となった三陸鉄道と「キットカット」ブランドで震災の復興支援を続けているネスレ日本が、地元に根付いた野球チームを通じて、新たな地域復興を目指す取り組み。本拠地は震災で全壊し、現在は生コンクリートのプラントが置かれているなど、いまだに震災の爪痕が残る岩手県宮古市にある田老球場。同球場は2016年春に新・田老球場として再建される予定で、それまでは同市内や岩手県久慈市にある球場を中心にチームは活動を行っていく。

 GMとして発表されたのは、なんとシアトル・マリナーズの岩隈久志投手。記者発表の席上で挨拶した岩隈は「楽天でプレーしていたこともありますし、野球というスポーツの力を通じて三陸を盛り上げていきたい。」と、このプロジェクトに賛同した理由を語り、GMとしての抱負を聞かれると「目指すは日本一ですが、復興支援や社会貢献活動にも力を入れていきたい。」と、一般的なプロ野球界のGMではない部分を中心に活動していく意向を明かした。

 また、球団のマスコットは岩手県の特産である“短角牛”になぞらえて、漫画『キン肉マン』のキャラクターである『バッファローマン』に決定。作者・ゆでたまご(嶋田隆司氏と中井義則氏の共同ペンネーム)の両氏は「手塚治虫先生が西武ライオンズのマスコット『レオ』を書いてから、球団は常勝軍団へと成長した。(同じように)三陸鉄道キットDreamsにも日本一になって欲しい。(嶋田氏)」「何かの形で支援したかった。この話がきて嬉しかった。バッファローマンには岩手の人達に愛されるマスコットになってほしい。(中井氏)」とエールを送った。

 他にも、応援ソングは仙台在住のアーティスト・モンキーマジックが担当。映画監督の松浦徹氏によるドキュメンタリーフィルムの制作も決定するなど、設立時点から新球団への支援の輪は着実に広まっている。

 この日発表されたチームの陣容は、球団オーナーが三陸鉄道・望月正彦社長、監督に岩手県宮古市・山本正徳市長、キャプテンは岩手県宮古市役所職員(中村尚道さん)やマネージャーとして宮古市の浄土ヶ浜にある旅館の若女将(近江智春さん)など、地域密着を前面に押し出したメンバー構成となっている。

 東日本大震災から3年。今年4月に全面復旧した三陸鉄道の“不屈の闘志”を武器に、日本一の野球団を目指す「三陸鉄道キット Dreams」が野球を通じた地域振興に取り組んで行く。
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