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8年ぶり日本球界復帰の広島・黒田博樹【入団会見全文】

 広島の黒田博樹が16日、広島市内で入団会見を行った。

 黒田は96年ドラフト2位で専修大から広島に入団。01年に自身初の二桁勝利をマークすると、05年に最多勝、06年に最優秀防御率を獲得するなど広島のエースとして11年間で通算103勝を挙げ、07年オフにFA権を行使し、メジャーリーグに挑戦。メジャーでも昨季まで、日本人最多となる5年連続二桁勝利をマーク。オフに、メジャーから高額のオファーを受けるも古巣・広島に復帰することを決意。日本球界のみならず、メジャー関係者も“漢・黒田”の復帰に驚いた。

黒田博樹入団会見全文

-- 8年ぶりのカープ復帰。ファンにメッセージをお願いします
「8年ぶりに広島に帰ってきて、ファンの熱気、広島に帰ってきて一段に強いなというのを一番始めに感じました」

-- ファンが空港に詰めかけた光景を見てどう思いましたか
「帰ってきたなという感じでした」

-- 古巣カープで再び入団会見を迎えました。今の気持ちは
「報道陣の多さに驚いています。今までカープにいて、そしてドジャース、ヤンキースを経験した中でで一番メディアが多いので戸惑っています」

-- 緊張していますか
「緊張しています」

-- 気持ちの変化は
「実際、広島に来る日まで、色々もやもやした気持ちもありました。自分の決断は正しかったのかと考えることもありました。広島に来てファンの人、色んな声を聞いてこれでよかったかなとそういう気持ちです」

-- 鈴木球団社長に復帰の電話した際も迷っているとのことでしたが。現在は
「後は沖縄に行ってユニフォームを着て、そこで気持ちがしっかりするのではないかなと思います」

-- 今朝松田オーナーの元に訪れたときは
「オーナー自身も優勝するぞとそういう気持ちを強くもっておられたと思いますし、最後挨拶終わって帰るときも握手をして優勝しようと言われました。自分自身すごくそれを聞いて胸が熱くなりました」

-- 復帰の理由は
「色々考えないといけないことはたくさんありましたけど、最後はファンの人たちというか、球団の熱意もありましたけど、2006年ですかね最初にFA権を取得したときに ファンの人たにち心を動かしてもらったので、今度は自分がファンの人たちの気持ちを動かせればという気持ちが一番大きかったです」

-- 2006年旧広島市民球場のライトスタンドの光景は覚えていますか
「なかなか経験させてもらえることでもないですし、野球人としてすばらしいゲームだったと思います」

-- カープ復帰を決断したのはいつ頃
「鈴木さんに電話したときなので、日本時間の26日。気持ちを決めたと思ってても、1秒1秒自分の考え方も変わっていましたし、後は電話かけるしかないかなという感じだったです」

-- そこではどういった話を
「僕自身あまり言葉にならず、自分自身何を言っているかわからなかったというのが正直なところです」

-- カープの粘り強い交渉。鈴木さんの想いが実ったということでしょうか
「毎年毎年、オフになると声をかけていただいて、食事を一緒にさせてもらって、今年断ってしまうと二度と口を聞いてくれないと思いましたし、根気強くずっと声をかけてくれたのが一番大きかった」

-- 黒田投手から電話入ったときはどんな気持ち
鈴木球団本部長「帰りますという言葉で、空白になってどこへだろうという気持ちでした。カープという言葉を聞いたときに『え〜』と声を出してロッカーに帰ったのを覚えています」

-- まさかという感じでしたか?
鈴木球団本部長「可能性としてはいつも少ないと思いながら、彼がいつも真剣に話を聞いてもらっていましたので、本当にビックリしました」

-- 入団会見で話している様子を見て、今どういう気持ち
鈴木球団本部長「存在感の大きさに驚いています」

-- 2008年からメジャー7年間を振り返って
黒田「一言で言うと苦しかったです」

-- 苦しいというのは具体的には
「野球をやる以上は日本でやろうが、アメリカでやろうがマウンドに上がるということは大変な事です。言葉も分からない中で、シーズン162試合戦い抜く中で、体力的にも含めて、挑戦した以上はそれなりの結果を残さなければいけないと、勝手にプレッシャーをかけて、7年間プレーしたつもりです。そういう意味では楽しいというよりは、苦しい方が多かったと思います」

-- 一番印象に残っている出来事は
「去年のヤンキースタジアムの最終戦。それがメジャーでの最後の登板になったんですけど、ジーターのヤンキースタジアム最終戦でしたし、自分の中でも何か来年どうなるか分からない中での最終登板でしたので、印象に残っています」

-- 成長した点は
「成長した部分は、色々な経験をさせてもらいました。日本で経験できない経験ができましたけど、何と言われると難しいかもしれないです」

-- 技術的な部分は
「技術的な部分はアジャストしながら、少しずつ自分のスタイルを築いていけたと思います。アジャストする力は7年間で身に付いたところだと思います。メンタル面だとヤンキース、ドジャース大きいチームの中で、ローテーションで投げ続けることができたことは、苦しみながらもある程度やれたという気持ちはあります」

-- メジャーでは日本人初の30球団勝利が迫っていたが、日本に戻ってきたことに悔いはないか
「記録に関してはプロとして大事かもしれないですけど、年齢を含めて色んな部分を考えると、カープに帰るのは今年が最後なんじゃないかなと判断して、帰るなら今年しかないかなということだったと思います」

-- 今年しかないと結論を下したのは
「それを判断するのはなかなか難しいんですけど、年齢的な部分もそうですし、毎年メジャーではローテーションを投げていた中で、そこを大事にしたいなという部分があった。果たして40歳になってメジャーのハードなスケジュールの中で、チームの期待に応えられるかなとか、色々考えました」

-- 黒田投手にとってカープとは
「最初にメジャー挑戦したときから。もしくは日本に帰ることがあれば、カープに帰ってきたいと思っていました。そういうことを口には言っていましたけど、気持ちがぶれないためにもメジャーで結果を出し続けたい。それが、今考えると自分の中でのモチベーションになっていたと思います。それくらいの気持ちにさせてくれるチームだと思いますし、今回僕と一緒に出て行った新井がカープに帰ってくる。球団としての懐の大きさというか、度量の大きさをまた改めて感じました。多少なりともカープに復帰する1つの要因になった」

-- 新井選手との縁を感じるか
「彼自身も僕と同じFAで出て行きました。彼自身も悩みながら決めた決断でしたけど、その中で僕が出て行ったことで、多少なりとも気持ちの部分で揺れ動いたと思うので責任を感じています。今シーズン一緒にプレーできるのはよかったと思います」

-- カープで投げる1球の重みについては
「ヤンキースに移籍してから毎年1年ずつ契約させてもらっていました。年齢的に考えても先は長くないと自分で思っています。いつ最後の1球、最後の登板になっていいという気持ちで、今までやってきました。日本で、カープのユニフォームを着て投げる方が、最後の1球になっても後悔は少ないと思って判断しました」

-- 野球人生のなかでどういった決断になる
「今まで毎年毎年、1年契約で悩みながら進路を決めてきましたけど、今回ほどたくさん悩んだことはなかった。実際、自分自身もどうしていいか分からなくなっていた部分があったので、僕自身これが最後の決断だと思って、決断しました」

-- カープで野球人生を終えるという視野ですか
「もう40歳ですし、皆さんが期待するほどのピッチングができるかどうかは、現時点ではそこまで自信は全くありません。その中で、もがき苦しみながらも、最後はカープのユニフォームを着て投げたいかなというのが一番です」

-- 現在の体の状態は
「歳相応より少し若いくらいです」

-- どのあたりを重点的に練習してきましたか
「練習に関してはメジャーに行く前の練習と変わらず、体力作りと肩作り毎年同じようなペースでやってきました」

-- 明日からチームに合流するが、期待と不安どちらが大きい
「不安しかない」

-- 今のカープの印象は
「若い選手が主力となって戦っているチームだと思います。その中で、僕がどういう役割で、どういう立ち位置でどれだけ貢献できるか検討はつかないんですけど、それはチームの中に入ってみて、今後自分の役割を作っていければいいかなと思っています」

-- 前田健太投手にどういう声をかけますか
「彼とも、そこまで話した事が無いです。すばらしいピッチャーと誰もが認めているところです。今年1年チームメートと一緒に戦っていくので、僕なりに手助けできればいいかなと思います。彼に限らず若い選手が沢山いるので、そういう選手たちの力になれればいいかなと思います」

-- 8年前に一緒にプレーした緒方選手が、現在監督となりました
「8年間日本の野球から離れていたので、バッターに関しても全然データのないバッターもいると思います。オープン戦を含めて自分の中で色々と研究してやっていかないといけないと思います」

-- 緒方監督は黒田投手の復帰登板はマツダスタジアムと言っていますが、マウンドに立つイメージは
「全然イメージは沸かないです」

-- どういったピッチングをファンに見せたい
「一番はこういう決断をして、ファンの人たちが多少なりとも喜んでくれたら嬉しいです。そういう人たちがカープファンで良かったと思えたのなら、自分の中では嬉しい事だと思います」

-- 200勝への想いは
「正直な気持ちは、そこにこだわりはないです。その場になってみないと全然分からないことですし、現時点ではそこまで意識はしていないです」

-- 今後変化がある
「どういう気持ちになるか全然分からないです。もしかすると199勝で引退するかもしれないですし、今現時点でそういう気持ちです」

-- 今シーズンに懸ける意気込みを
「野球人生長くないと思うので、毎試合最後だと思って、その1球が最後だと思って、メジャーにいたときから変わらず、そういう気持ちでマウンドに上がっていきたいと思います」

-- カープファンに向けてメッセージを
「8年ぶりに広島に帰ってきてどこまでできるか本当に現時点では分からないですけど、マウンドに上がる気持ちは何歳になっても変わらないと思います。勝ちたいという気持ちも変わらないです。そういう気持ちを常にマウンドで出していければいいと思います。たくさんの人に見てもらえたらいいです」

黒田博樹プロフィール

NPB通算:試271 103勝89敗0S 防3.69
MLB通算:試212 79勝79敗0S 防3.45
生年月日:1975年2月10日
投/打:右/右
身長/体重:185センチ/93キロ
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