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帰ってきた黒田博樹 活躍のカギ握る3つのポイント

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アメリカでの7年間で79勝を挙げた黒田博樹がついに日本に帰ってきた[Getty Images]
 今年から8年ぶりに古巣・広島への復帰が決まった黒田博樹。日本よりもキャンプインが遅いアメリカ流の調整が認められ、沖縄での二次キャンプから合流する予定となっていたかつてのエースは、自宅のあるロサンゼルスの施設でのトレーニングを経て、ついに来日した。このあと16日に広島で入団会見を行った後、18日からチームに合流する。

 2007年以来、8年ぶりに日本球界に戻ってきた黒田博樹は一体どれほどの活躍を見せるのか。ここでは、日本での活躍のカギを握るポイントを3つ挙げた。

● ボールの変化

 最も大きな変化となるのが、“ボールの変化”だろう。メジャーで日本人最高となる5年連続2ケタ勝利をマークした黒田を支えた球種が、直球とほぼ変わらない速度で微妙に変化するツーシーム。変化が大きいことからジラルディ監督はシンカーと評したこのボールを見事に内外に投げ分け、並み居る強打者たちからゴロの山を築いた。

 しかし、一般的に日本のボールでは、ツーシームの変化は少なくなると言われている。黒田が去った後の広島でエースとして活躍した前田健太もかつてはツーシームを投じていたものの、「へなちょこツーシーム」と自虐し封印。ところが、メジャー球を用いて行われた昨年11月の日米野球では、そのツーシームが炸裂。5回を無失点に抑える好投を見せ、MLB選抜を率いたジョン・ファレル監督に「特にツーシームが素晴らしかった」と絶賛された。

 日本のボールでも黒田の伝家の宝刀の切れ味は錆びることなく、猛威を振るうのか。はたまた、新たな投球スタイルへシフトチェンジするのか。実戦までの期間が短い中で、黒田がどのような決断を下すのかが、ひとつ目の大きなポイントとなる。

● 年齢

 二つ目のポイントが、年齢の問題。2月10日に40歳を迎えた黒田が、これまで通りの活躍を見せることができるのかという疑問の声は少なくない。

 本人もここ数年は毎年現役続行か、はたまた引退かで揺れるオフを過ごしてきたことを明かしており、確実にキャリアの終焉が近づきつつあることを自覚している旨を述べていた。それでも、その中でもしっかりローテーションを守り、イニング数を消化してきたという事実は日本での活躍を後押しする。

 36歳から38歳のシーズンにあたる2011年から2013年の3年間は投球回が200イニングを超え、昨年も199回とそれに迫る数字を記録した。さらに、昨シーズンは2013年に終盤に調子を崩した反省を活かし、ピークをシーズン終盤に持ってくる調整法に取り組むと、前半戦は6勝6敗で防御率4.10だったのに対し、後半戦は5勝3敗で防御率3.16と課題を克服。衰えるどころか、更なる進化を見せた。

 再び登板間隔が変わることで調整法の変更も強いられることになるが、大きなケガなくアメリカで7年間を戦い抜いた鉄人右腕ならば、さほど心配はいらないだろう。

● MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島

 最後のポイントは、黒田にとっては初めてマウンドを踏むことになる本拠地『MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島』との相性に関して。

 投手にとってはボールと同様にその相性が重要視されるマウンド。マツダスタジアムは12年のシーズン中に緊急改修が行われて以来、東京ドーム仕様のマウンドに変更。粘土質な足場にフィットできるかどうかがシーズンを通して活躍するためのカギを握る。

 ただし、かつて黒田が本拠地として投げていた広島市民球場と比べると、マツダスタジアムはセンターが7メートル、両翼は10メートルほど広くなった。

 最近3年間本拠地としていたヤンキースタジアムも、左右非対称でライトスタンドが競りだしているという形状に加え、風がライト方向へ吹き抜ける作りから“左打者天国”の異名を取る球場であり、右投手にとっての鬼門として知られている球場であった。打たせて取る投球が身上の黒田にとって、単純に球場のスケールが大きくなることは追い風となるに違いない。

 「僕に残された球数はそんなに残ってない」と語った黒田。命を削って投げる魂の一球一球の積み重ねで、古巣を24年ぶりの優勝に導くことができるだろうか。黒田博樹の2015年シーズンが、まもなく始まる。
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