開幕戦を1週間後に控えた20日、各地で行われたオープン戦で開幕を任された投手たちが続々と登板した。

　デーゲームで行われたのは3試合。中でも万全の仕上がりを見せたのは楽天の則本昂大。3年連続で開幕投手を任されることになった右腕は、敵地での中日戦に先発し、5回を2安打無失点。三振も毎回の5つを奪い、二塁も踏ませぬ快投で首脳陣を安心させた。

　ルーキーイヤーから3年連続での開幕投手となれば、58年から60年の南海・杉浦忠氏以来、2リーグ制後では2人目の快挙となる則本。投げ合うことが予想される年下の大谷翔平に、先輩の意地を見せつけることができるだろうか。

　横浜ではDeNAの久保康友も、西武戦に先発して5回を2安打無失点と好投。シーズン終了直後の昨年11月末から開幕を示唆するほどに期待を寄せる中畑監督を喜ばせた。

　今年で11年目・35歳を迎える久保は、今オープン戦3試合に登板し、11回を投げて失点ゼロ。完璧な調整ぶりで、ロッテ時代の06年以来9年ぶりとなる開幕戦のマウンドへ向かう。ちなみに、久保が予定通り開幕戦の先発マウンドに登れば、広島とロッテで活躍したネイサン・ミンチー以来、12年ぶりの“両リーグ開幕投手”の誕生となる。

　また、則本と投げ合った中日の山井大介も、2回に2点を失ったものの、その後は立ち直りを見せて6回2失点とまずまずの内容。3回、5回、6回と三人で打ち取り、修正能力の高さを見せた。

　一方で、心配なのはヤクルトの小川泰弘。2年連続の開幕投手が内定している右腕は、オープン戦好調のロッテ打線に捕まり、初回からいきなり大量5失点。味方のエラーという不運もあったが、その後も立ち直りの気配を見せかけた4回に手痛い一発を浴び、5回にも追加点を許すなど、結局5回を投げて8安打7失点。与四死球が4つと不安定な面を露呈した。

　ロッテ先発の涌井秀章も、初回にいきなり3連打を浴びるなど2失点と立ち上がりで苦しみ、4回と6回にはいずれも雄平に一発を浴びて6回を4失点という内容で最終調整を終えた。

　20日のオープン戦・デーゲームの結果と、開幕投手たちの成績は以下の通り。

【20日の試合結果】
● ヤクルト 6 － 9 ロッテ ○　＜神宮＞
DeNA 0 － 0 西武　＜横浜＞
● 中日 0 － 2 楽天 ○　＜ナゴヤ＞
――※以下は18時開始――
巨人 － 日本ハム　＜東京ドーム＞
オリックス － 阪神　＜京セラ＞
ソフトバンク － 広島　＜ヤフオク＞

開幕投手たちの成績

＜神宮＞
・小川泰弘（ヤクルト）：5回94球 被安打8 与四死4 奪三振3 失点7 自責6
・涌井秀章（ロッテ）：6回98球 被安打8 与四死0 奪三振0 失点4 自責4

＜横浜＞
・久保康友（DeNA）：5回71球 被安打2 与四死2 奪三振3 失点0 自責0

＜ナゴヤ＞
・山井大介（中日）：6回67球 被安打5 与四死1 奪三振3 失点2 自責2
・則本昂大（楽天）：5回65球 被安打2 与四死0 奪三振5 失点0 自責0